Steely Dan / Aja (1977) – Larry Carlton

涙ぐましいCarltonの忠犬ぶり(想像です)・・・・

 A1. Black Cow (Paul Humphrey)
  2. Aja (Steve Gadd)
  3. Deacon Blues (Bernard Purdie)

 B1. Peg (Rick Marotta)
  2. Home At Last (Bernard Purdie)
  3. I Got The News (Ed Greene)
  4. Josie (Jim Keltner)








Steely Danの'77年の作品です。後の寡作ぶりとは異なり、この頃は1年に1枚のスパンでアルバムを発表していたようで、”The Royal Scam”に続く6枚目のアルバムとなります。彼らの最高傑作と名高い本作、セールス的にも成功し、一躍彼らの名を広めたようです。以前のメンバーで残っているのはDonald FagenとWalter Becker以外はDennis Diasただ一人(しかも数曲しか参加させず)、他は彼らの美学を実現するための当時最高峰のメンバーが集められており、豪華なメンバーを取っ替え引っ替えし、気に入らなければ容赦無く交代、1曲ごとにそれぞれ最高のバンドを作り上げ演奏させています。(特に、各曲ともドラムの演奏が見事です。曲の後ろにドラマーをカッコ書きしました。)録音にも凝ったようで、グラミーで最優秀録音賞を受けたようです。(詳細はWikiを参照くださいませ。)
本作もSteely Danマニアの方はじめ多くの方が論評されていますので、私めなんぞが下手なことを書くとお叱りを受けてしまうのではないかと恐れ慄いておりますが、曲の良さ、各プレイヤーの素晴らしい演奏、オーディオ的な音の良さも含めた完成度の高さ、愛聴盤の一つであり、Carltonのプレイも控えめながら素晴らしいので取り上げさせていただいた次第でございます。文中お気に召さないところがございましたら何卒ご容赦くださいませ。






<ギターの聴きどころ>

そのCarltonは、B1以外に参加しています。(基本左と思います)
前作では”Kid Charlemagne”で名ソロを披露したCarltonですが、本作では目立ったソロなどは他に譲り、どちらかといえば裏方に徹しています。しかしその演奏がセンスに溢れています。
A1,単音、jazzyなコードから、Bluesファンなら「あっ」と思う9thから2フレットスライドし6thに行くバッキングに続きます。その後もコードにダブルストップを散りばめたバッキングが続き、335のナチュラルトーンと繊細なタッチがマッチしています。
GaddのドラムとWayne Shorter(先日亡くなられました。 R.I.P.)のテナーの好演がよく取り上げられるタイトル曲の2、その前にギターのソロも聴けますが、これは微妙ですね。Carltonのプレイにも聞こえますが、Becker様でしょうか?後半のカントリー風味のあるオブリやコードプレイがCarltonと思います。
続くA3、イントロが何気にメロウで、Aメロのメロディー自体は単調ですがサビへの繋ぎやアレンジがさすがです。左のCarltonの控えめなプレイもいい味を醸し出しています。この曲、Ritenourの名前もありますが後半部に被ってくるコンプ+フェイザーのポコポコサウンドのみ?
CarltonやRobben Ford含む7人のギタリストがソロパートをそれぞれ弾いた中で、Jay Graydonのプレイが採用されたというエピソードが有名なB1、ポップな曲調と複雑なコード進行とワイルドなギタープレイの意表をつく組み合わせを狙ったのかもしれませんが、個人的には、インパクトは感じるものの、取り立てて良いプレイとは感じませんでした。むしろCartonやRobbenのプレイを聴いてみたいところです。
なお、Dupreeはリーダー作のShadow Dancingでこの曲をイナタく変身させています。
PurdieのGrooveが印象的なB2、ここでのソロもCarltonっぽい気がしましたが(特に2回目のBluesyなプレイ)、Becker様のようです。Caltonは左のバッキングのみのようです。Becker様がCarltonのプレイを自分が弾いたことにしてなければ・・・・・
B3でも2度のギターソロがありCarltonとBecker様がSoloistとして書かれています。サウンドもプレイも似通って感じますので両方Cartonでは?エンディング付近のセンターポジションでのクリスピーなシングルミュートがBecker様なのではないでしょうか?左のバッキングがDean Parksのようです。
ラストのB4,ここでもソロはBecker様です。やはりCarltonに似ています。もしかしてCarltonが弾いたフレーズをコピーしたのでは???バッキングは右がCarltonで左がParksと思います。なお、Carltonは、自身のリーダー作"On Solid Ground"でもこの曲を取り上げています。
モノの本によると、Carltonは演奏だけではなく「超気難しい二人」と各ミュージシャンの意思疎通を行う役割も担っていたようです。
「Raineyさん、Becker様がゴムマリ音でチョッパー弾くな!って言ってるんだけど・・・」や、「Gadd君、Shorterさんがなかなか本気出さないのでもっと激しく煽って!スティック折ったら買ってくるから!」「Robben君、俺たちのソロボツになっちゃった。でもギャラは多めに預かってるから俺から渡すね・・・(実はCarltonが身銭を切ってる!)」などなど、言いにくいことを言う役割を果たしていたのでしょうか?(あくまで私の想像です。)
また、Beckerからは「Carltonさんのフレーズ、俺がもらう(ボソボソ)ギャラははずむ(ボソボソ)文句ないよな(ボソボソ)」などと言われていたのでしょうか。なんとも涙ぐましい!(あくまで私の想像です)
この二人は、そんな忠犬Carltonを次作以降バッサリと切り捨ててしまいます。なんとも芸術至上主義とは恐ろしいことではございませんか!Ajaぱ!(アジャパ!)でございます。(今回も親父ギャグですみません・・・)
でも、テープが残っているんだったらB1初め別バージョンを集めたCD出してくれないでしょうか!10枚組で!



























Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
お酒のお供度♡♡♡♡♡

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