The Crusaders / Chain Reaction (1975) – Larry Carlton
至る所でCarltonのプレイが光ります。
A1. Creole 2. Chain Reaction 3. I Felt The Love 4. Mellow Out 5. Rainbow Visions B1. Hallucinate 2. Give It Up 3. Hot's It 4. Sugar Cane 5. Soul Caravan The Crusadersの'75年の作品です。前作Southern Comfortに続き。Carlton含む4人のメンバーによる録音で今回もゲストはありません。(ベースはWilton Felderがサックスと二役で弾いています)。躍動感のあるTexas Funk路線を踏襲しつつも、シンセの導入や正式メンバーとなったCarltonのギターの比率が上がったことにより、タイトル通りの「連鎖反応」で新境地を開きつつある印象を受けました。 なんと3分未満の曲が4曲もあり、食い足りない気もしますが、その分、この手のLPには珍しく10曲も入っていてお得感もあります。 この盤も、他のクルセの盤同様、Unionのエサ箱からゲットしました。盤面に小傷が多く、ノイズも出るのですが、音圧や鮮明感などオーディオ的な音の良さは前作、次作同様で、いずれもCDで買い直していません。(CDが復刻されたためLPが値崩れして恩恵を被ったのですが)
<ギターの聴きどころ>
内ジャケには335をプレイするCarltonの写真があります。(この頃にはSTPに改造済みのようです。Scratchではブランコだったので74~75の間に手術したのでしょう。) しかし、A1の弾むようなリズム帯にキ乗ったキレのいいギター、これはストラトのハーフトーンではないでしょうか?低音のリフとスライド、高音弦のカッティング、David T.が弾いても似合いそうなフレーズです。 タイトル曲A2では、シングルトーンのリフ、シンセとのユニゾン、ホーン隊との掛け合いとCarltonのギターが大活躍です。絶妙にミュートをコントロールしたドライブサウンドが痺れます。エンディングをヴァイオリン奏法で締めくくるところも洒落ています。クルセがバックを務めるMichael Franksのムーディーなバージョンとはかなり趣が違います。 スロウのA3では、多彩なフレーズでホーン隊をバックアップします。 後に日本のライブでも取り上げた自作のA4, サックスと掛け合いをしながらテーマ、ソロをプレイします。本作でのプレイ全般に言えることなのですが、ピッキングでドライブをコントロールするサウンドが見事です。 美しいミディアムスロウのA5、ヴァイオリン奏法を駆使したオブリや、シンセとのユニゾンプレイ、コントロールの行き届いた流れるようなソロ、エレピとの絡み、どれも素晴らしいプレイです。 これまたタイトル通り幻想的なB1では、チョーキングフレーズやフェイザーを咬ませたバッキングで怪しいムードを盛り上げます。 ノリのいいB2では、キレのいいカッティングが聴けます。合間にはさむ小技も光っています。 B3では重いベースに乗っかったシングルミュートのリフ、ホーン隊とのユニゾン、瞬発力とバネのあるプレイです。 続くB4でもリフ、ホーン隊とのユニゾン、コンパクトなソロ、ダブルストップのスライドなど3分未満の短い曲の中に色々なプレイが詰め込まれています。 ラストのB5でもドライブサウンドコントロールしてニュアンスたっぷりに歌うBイントロから、リズムチェンジに合わせて自在なフレーズを繰り出すバッキング、同様にコントロールが行き届いた艶っぽいサウンドでのソロ(バックの演奏が止まったところの文字通りのソロプレイなど鳥肌が立つセクシーさです) クルセでのCarltonのギター、前年のライブ"Scratch"での「So Far Away」のプレイや次作の”Those Southern Knights”の「Spiral」がよく名演として取り上げられますが、本作でのプレイも負けず劣らずの名演です。ぜひ聴いてみてください。
Emotional度 | ♡♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |
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