The Yockamo All-Stars / Dew Drop Out, A New Orleans Second-Line R&B Jam! – 山岸潤史

緩やかで大きなノリです。

 1. Blow, Blow Tenor
 2. Rich Woman
 3. Dew Drop Out
 4. Falling In Love
 5. Talk To Me, Baby
 6. Jambolero
 7. Ice Cool
 8. Ain't Got No Home
 9. I Hear You Knocking
10. Bhang Bhang
11. Gravel Grinder
12. Rat Cheer







The Yockamo All-Starsの'98年の作品です。私は、N.O.のミュージシャン(と英語)にあまり詳しくないのですが、All-Starsの名のとおり現地の著名な方々が集まって,1950年代のJazzやR&Bを再現すべく録音されたセッション的な作品のようです。
80年代の終盤以降、日本でもN.O.音楽がにわかに注目を浴び始め、一部のロックバンドなどもそのリズムを取り入れたりしていましたが、山岸さんはその音楽に心底惚れ込み、日本でのキャリアをかなぐり捨てて移住、数年後にはAll Starsのジャムにも参加してしまうとは、なんたる才能とバイタリティ!(ホトケさん曰く、知らない人の家でも、カギがかかってなければ「ごめんやっしゃ!」と入っていく性格とのことです。)
しかし、本作は日本では全く注目されることもなく、発売当時は私は存在すら知りませんでした。'03年ごろだったかと思いますが、当時ユニオンのSoul&Blues館にはNew Oreans R&Bの中古コーナーがあり(今もある?)、The Wild Magnoliasパパグロのように、山岸さん参加盤があるのではといくたびチェックしていたところ、裏にクレジットのある本作を発見しました。中古で1000円でした。


<ギターの聴きどころ>

山岸さんは、インナーの写真には写ってないのでおそらくゲスト的な扱いで、裏ジャケのクレジットによれば2,9の2曲に参加しています。
N.O.独特のリズムの中で、左からアコギの12弦でバッキングをしているのが山岸さんのようです。重く大きなGrooveの中で金属的な響きがスパイスになっています。
ゆったりとしたリズムでテナーが歌う9,後半のソロはロングトーンを活かしたフレーズから入り、細かく畳み掛けたりフレーズの切れ目を3連で切ったりして緩急をつけていますが、基本は大きなノリの中で同様に大きく歌っています。この大きなノリは、現地の音楽に馴染んでいないとなかなか出せないのではないでしょうか?
なお、裏ジャケのクレジットにはありませんが、セカンドラインのリズムに乗った12、やはり大きく重いノリの中に弾けるようなピッキングで切り込んでいくプレイも山岸さんだと思います。
ギターの参加はこの3曲だけながら、独特のリズムの中を泳ぐように歌うホーンやピアノ、蒸し暑い夜にビールやバーボンソーダを飲みながら聴くのにピッタリです。パパグロなどのハードなFunkも好きですが、ギターに拘らないで聴くのならば、自分してはこのぐらいの緩さや大きなノリの方が好みです。これからの季節、ぜひ探して聴いてください。




Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
お酒のお供度♡♡♡♡♡

Follow me!