中本マリ ‎/ Moods Of A Lady (1982) – Robben Ford

 Robbenのナチュラルトーンが美しい。

A1. Here We Go Again
 2. Love Garden
 3. Ride To The Country
 4. Feel My Love
 5. Never Too Late

B1. Good Old Sound Of Music
 2. You Can Win
 3. Zoot Suit Stomp
 4. There Is Nothing More To Say



中本マリさんの'82年作品です。実力派女性Jazzシンガーの代表格の一人で、70年のデビューからそれまでの間、数枚のLPをリリースしています。本作は前作に続くBuddy Miles プロデュースによるLA録音で、メンバーも豪華です。この頃ありがちなスタンダードやポップスのカバーはなく、Barry Milesの曲を歌いこなしています。
自分が購入したのは、90年代の半ばです。これまでも書いている通り、CD復刻後は80年代のJazzやフュージョンは、エサ箱の常連となり、その中から前作はじめ、他の数枚のアルバムとともに大人買いしました。本作は裏ジャケにはメンバーは記載されていないので、開けてびっくりRobben Fordの参加!しかもドットの335を弾いている写真が写っている!期待大!

<ギターの聴きどころ>

1曲めから美しいロベンのジャジーかつポップなイントロが流れてきます。時代なのでしょうがコーラスがかかっていますが、美しいナチュラルトーンです。ソロも同様で曲調になじむ弾むようなフレーズが続きます。エンディングでチョーキング等が出てきますがフェイドアウトしてしまいます。後一分ぐらい聴きたい!
A2,B1はコーラスのかかった単音ミュートでRitenourっぽいです。
A3のみTim Mayです。
落ち着いたムードのA4、スキャットが印象的なA5のバッキングも決して派手ではありませんが曲にマッチしています。
B2はスロウで、美しいオブリを交えたオブリから、やはりコーラスのかかったサウンドでピッキングの強弱が見事なソロを披露します。後半の曲の盛り上がりに対しては比較的クールです。
アップテンポでJazzyなB3では、両チャンネルからキレもコクもあるカッティングが聴けます。(左はワウも)。Ernie Wattsの一人二役のソロのバックでは、カッティンの合間にユニゾンチョーキングもかましています。
ラストのスロウでは、イントロのエレピにハーモニクスを重ね、ヴォーカルのバックでは、ヴァイオリン奏法も交えたオブリを挟み、哀感を高めます。
それぞれ1曲が長くないので、ギターもコンパクトにまとめています。ライブ共演であればまた違った展開だったかもしれません。
80年代半ば以降はBluesに回帰していって、本作で聴かれるようなサウンド、プレイ(バッキングもソロも)はほとんど聴くことができなくなってしまいました。前回紹介盤は、ストラトのハーフトーンでしたが今回は335のナチュラルトーンです。熱く激しいBluesも良いけど、何を弾いても感情移入が巧みなRobbenに、またこういうナチュラルでMellowなフレーズも弾いてもらいたところです。