The Yellowjackets / Mirage À Trois (1983) – Robben Ford

Popながら骨太感のあるプレイです。サウンドも美しい!

A1. Claire's Song
 2. Top Secret
 3. I Got Rhythm
 4. Pass It On


 
B1. Goin' Home
 2. Man In The Moon
 3. Elamar
 4. Nimbus

 


 
The Yellowjacketsの'83年の作品です。鮮烈だったデビュー盤Casino Lightsでの熱いライブ演奏でも垣間見せたPopな面を更に発展させ、高い技術に裏打ちされた演奏で「心地よさ」を追求したカラフルなサウンドになっています。(日本盤のタイトル「マリブの旋風)が内容を象徴しているように感じます。)プロデューサーのTomy LiPumaの元、曲作りやサウンドを主導するのはRussell Ferranteで、本作ではシンセを多用、腕利き達の生楽器と見事に「Fusiion(融合)」させています。セールス的にも成功したようで、この手のLPでは珍しくBillboard Chartの145位(Jazz Chartでは7位)まで達したようです。
本作もユニオンのFusion安箱から300円で購入しました。元々コアなJazzファンからは「軽薄」と酷評されており、流行や心地よさに飛びついた層にも飽きられてしまったのでしょうか?一時期はエサ箱の常連でした。裏ジャケには日本語で「友達にイエロージャケットをパスト・オン!!」と印刷されている(最初落書きかと思いましたが、他の盤にもありました)のに・・・ああ無情・・・。

<ギターの聴きどころ>

RobbenはA2,A4,B1,B2に参加しており、カラフルなサウンド作りの一端を担いながらも骨太なプレイを聴かせてくれます。
A2は、キレの良いカッティングでスタートします。変則的なリズムがドラムとベースとの組み合わせでユニークなGrooveを作っています。(なかなか思いつかないリズムで、コピーが難しいフレーズでもあります。)
スロウのA4,シンセとユニゾンでテーマを奏でています。むしろシンセが不要と思われるほど歌心に溢れています。ソロでは、歪み+コーラスの当時の流行のサウンドでロングトーン、畳み掛け、空間をうまく使った緩急のあるプレイで、1分半の長弱を飽きさせることなく弾き切ります。
跳ねるミディアムのB1,ピッキングコントロールで強弱をつけたオブリやシングルノートバッキングがBluesyかつメロウです。ソロはナチュラルドライブにサウンドを切り替え、流れるように歌うプレイです。
B2も跳ねるリズムに乗ってシングルノートのリフを刻んだ後、ソロに突入します。ここでもロングトーンと畳み掛けを組み合わせたフレーズで店長にも対応したストーリー性を感じさせるソロです。
どの曲も、フレーズの切り方や休符の使い方が絶妙で、表現力に溢れています。Carltonとともにもの手のプレイをさせたら随一の上手さです。本作でのギターはクリーン、歪みともストラトと思われ、サウンドの美しさも本作の魅力を高めています。
この後、ルーツであるBluesに回帰してしまいますが、ポップな曲でのよく歌うプレイやツボを押さえたバッキングもたまには披露していただきたいものです。(インタビューではセールスを意識したプレイを強いられるのは嫌だった、みたいなことを言っていましたが)
A3,B3,B4ではMark Millerが同系統のプレイを聴かせてくれています。



Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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