Tom Scott & The L.A. Express / Tom Cat (1975) – Robben Ford

ふられ気分かどうかはわかりませんがRock ‘N’ Roll色は少々あります。

A1. Rock Island Rocket
 2. Tom Cat
 3. Day Way
 4. Keep On Doin' It
 5. Love Poem

 
B1. Good Evening Mr. & Mrs. America & All The Ships At Sea
 2. Backfence Cattin'
 3. Mondo
 4. Refried
 


 
Tom Scott & The L.A. Expressの'75年の作品です。前作同様、曲づくりをバンドメンバーと分担し、自身がプロデュースを務めています。前作に参加していたCarltonに変わってRobben Fordがギターをプレイしています。Joe Sampleも脱退していますが、Jazz,Bluesのテイストも加えたFunkyな曲が多く、前作よりクルセっぽい印象を受けました。ジャケットは、前作のセクシーさとはうって変わってメンバーを模したネコたちが夜中に演奏するイラストで、80年代半ばのNHKの人形劇「ひげよさらば」を思い出しました。同じく80年代半ばに「ふられ気分でRock'N'Roll」がヒットしたトムキャットも思い出しましたが、あのサングラスとユニット名は本作から影響を受けたのでしょうか?
自分は先に前作を聴いていて、本作にもCarltonが参加しているかと思い裏面を見るとRobbenの名前がありました。(表のギター担当のネコもCarltonというよりはRobbenに似ている気がします。)Fusion安箱の中でワンコインの価格、速攻レジに向かいました。


<ギターの聴きどころ>

A1,タイトルは特急列車の名前のようですが、その名の通り勢いと疾走感のある曲です。Wahを用いた効果音的なプレイ、キメのユニゾンに続き、ドライブサウンドで駆け抜けるような、突き進むようなソロが印象的です。バッキングもBluesのフレーズです。
タイトル曲のA2,クルセを明るくしたような曲で、ホーンの合間を縫うようにコードバッキングやリフを突っ込んできます。
A3でも、キメの多い中、軽やかにコードチェンジを交えたバッキングですが、Groove感を出しつつこういうフレーズを弾くのはよほどリズム感がないと厳しいと思います。中間部やソロではヴァイオリン奏法も飛び出し、アウトフレーズも交えて澱みなく音を繰り出します。
A4もコードバッキング中心ですが、経過音などの小技を挟んで変化をつけています。ここでも抜群のリズム感です。
スロウのA5、ヴァイオリン奏法を重ねてムードを盛り上げ、意表を突いてアコギのソロで早々にフェイドアウトしてしまいます。もっと聴かせてほしい!なお、この曲、Joni MitchellがVocal Refrainで参加しているとのことですが、ヴァイオリン奏法と被るハミングがそれでしょうか?
B1では、テーマを主役とユニゾンし、チョーキングやロングトーンと畳み掛けフレーズを組み合わせたソロに進みます。フェイザーは入らなかったのでは?
B2もクルセ風です。跳ねるリズムに乗って主役とユニゾンし、この曲ではWahを噛ませたソロです。やはりWahは余計に感じました。
怪しげなムードの中メカニカルなフレーズ続くB3,後半のドラムソロは見事ですが、本アルバム中で一番聴かない曲です。
なんとなく哀愁の漂うB4,これまで瞬発力にあるフレーズを多用していましたが、ここではテーマのユニゾンでもタメと粘りのあるBluesyなプレイを聴かせています。この曲でもA5同様泣きのソロはアコギでした。エレクトリックでの亡き節も聴いてみたかったところです。
ジャケットのRobben猫はゴールドトップのレスポール?を弾いていますが、Robben自身は本作でのギターは335でしょうか?
前作でのCarltonも本作でのRobben同様にドライブサウンドでRockを感じさせるプレイを取り入れていましたが、本作でのRobbenのプレイはよりストレートかつBluesyな印象を受けました。前作のCartonが考えながら弾いているのに対し、Robbenは自然に湧き出るものを音にしているように感じました。自分の好みで言えば、この2作においてはRobbenのプレイに軍配を上げます。(ジャケットは前作に軍配を上げます)





Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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