向井滋春, Orissa – Japonesia (1984) – 山岸潤史、塩次伸二
おしゃれというよりはプリミティブです。
A1. Japonesia 2. Neija 3. Calypsomba 4. Desert Cruisin' B1. Bone Papa 2. In The Mist 3. Eternal Boy 日本を代表するJazzトロンボーン奏者、向井滋春さんの'84年作品です。自身のグループであるOrissaに加え、ゲストを招いての録音です。当時の向井さんの志向なのか、ラテン風味の強いFusionで、ヤヒロ・トモヒロさん、三島一洋さん、細畑洋一さん、そしてウィリー長崎さんのパーカッションが大活躍しています。ボントロ、見かけによらぬ柔らかい音色が好きなのですが、奏者やリーダーアルバムはサックスやトランペットと比べると少なく、以前取り上げさせていただいた福村博さんや向井さんなどしか聴く機会がありませんでした。 本作も、裏ジャケに山岸さんと塩次さんの名前を発見して90年代の中頃に購入しました。まだCD再発されていなかった頃と思いますが、その頃のFusionの人気のなさ故か、それほど高くなく、確か1000円ぐらいだったと思います。(この盤も買った時期は夏ではなかったような記憶があります。おしゃれでトロピカルというよりは、トロピカルから回帰したプリミティブな印象を受けました。海辺というよりは密林?当時、ReggaeやWorldサウンドがおしゃれだと持て囃され始めましたが、それを通り越した実験的な作品ではないでしょうか?) タイトルの読み、ヤポネシアのようです、知ったかぶりをしてジャポネシアと言わずに助かりました。でも、ついついヤポニカ学習帳と言ってしまいそうです。
<ギターの聴きどころ>
山岸さんは、B1とB2(B3では掛け声!)に、塩次さんはB3に参加しています。Orissaとしてのレギュラーメンバーは加藤崇之さんです。 ノリの良いバックに向井さんの力強いテーマが乗っかるA1、キレの良いカッティングと335のセンターポジションと思われるクリスピーなサウンドをデリケートなピッキングでエキゾチックな雰囲気を醸し出す加藤さんのプレイが印象的です。 プリミティブなムードを持つA2では、左から不協和音も交えたバッキングで怪しいムードを盛り上げ、ラストはボントロとハモります。 スティールドラムが印象的なA3でも、小刻みなカッティングでパーカション群と細かいリズムを作ります。割と大きくミキシングされています。 A4でも、Wahサウンドでのバッキングの後、ナチュラルドライブトーンでのソロがあります。ほとんどコード感を感じることができませんが、どういうアプローチでフレーズを組み立てるのでしょうか? ゆったりとしたReggaeのB1、全体的に緩い雰囲気ですが、山岸さんのストラトのハーフトーンによるシングルトーン多用のギターと右の加藤さんのスタッカートカッティングだけがサウンドもフレーズもシャープです。 B2では濃い霧を切り裂くような山岸さんのドライブサウンドでの畳み掛けとロングトーンのソロがアツいです。モノクロ写真ですが、当時愛用していた黄色いMoonだと思われ、Bartoliniのハイパワーのシングルコイル(タップで通常のサウンドも出るタイプ)を搭載していました。 再度、ゆったりしたReggaeのB3、ここでの塩次さんの貫禄を感じさせるBluesyなプレイが自分の好みには一番合っていると感じました。sギターの写真写ってませんが335でしょうか? しかし、インナーの写真、塩次さんも山岸さんも若い!(そしてスマート!)
Emotional度 | ♡♡♡♡♡ 野生的な激しさです |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡ |
お酒のお供度 | ♡♡♡ |
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