Merry Clayton – Merry Clayton (1971) – David T. Walker
初期のDavid T.の熱演です。まずはB1を!
A1. Southern Man 2. Walk On In 3. After All This Time 4. Love Me Or Let Me Be Lonely 5. A Song For You 6. Sho'Nuff B1. Steamroller 2. Same Old Story 3. Light On The Hill 4. Grandma's Hands 5. Whatever Merry Claytonの'71年のOde Recordsからの2ndです。クルセのメンバー+Paul Humphreyなど、豪華な顔ぶれをバックに、当時の最新ヒット曲を含むカバーをGospel仕込みのヴォーカルで歌い上げています。Rolling StonesのGimme Shelter(Stonesのオリジナルは未聴です。Claytonの1stでのカバーは聴きました)はじめ、数多くのヒット曲や名作のバックコーラスに参加していますが、ソロデビューは’63年の17歳と早く,Ray CharlesのRaelettesにも在籍していました。しかしながらバックコーラスとしての仕事が忙しかったためか、あるいは実力の割にはレコーディングの機会に恵まれなかったのか、ソロ作は6枚だけと決して多くありません。 私めが最初に彼女の声を聴いたのは、高校生の時に買ったCarole KingのTapestryの「Way Over Yonder」(大好きな曲です)でのCarole Kingを追っかけるシャウト&ハモリですが、後で調べてみたら、Joe CockerやB.B.Kingなど手持ちのレコードにも色々参加していました。彼女の名前は知らなくとも、Rockファンの皆様も、Soulファンの皆様も彼女の声を聴いていると思います、私は数ある参加作の中でも、John Lenon TributeやBeLovedなどDavid T.の作品での迫力と表現力のあるヴォーカルが気に入っています。 本作や1stのOdeでのセッションが、Caroe KingのFantasyへの参加や、Odeでのソロ三部作のリリースに繋がったことを考えると、David T. のキャリアにおける重要なターニングポイントになったことも大きな意義をもつと感じています。 なお、ソロ作では、Chickenshackもカバーした'80年の"Emotion"も必聴です。
<ギターの聴きどころ>
GuitarはDavid T.一人で、曲によっては多重録音しています。 Neil Young のA1(オリジナルは未聴です)、Billy Prestonのオルガンなど南部の香りが漂います。David T.は右からWahのオブリde 絡みつきます。 後にCarole KingがセルフカバーするA2では、左からのカッティングです。クレジットがなければ自分はDavid T.のプレイと思わなかったかもです。 続くA3もCarole King作です。(ライブで歌っただけのようです。)この曲で初めてダブルストップやスライドなど、ようやく「らしい」プレイが聴くことができました。 多くのカバーがあるA4も左からのバッキングで、テロリロや単音オブリなどDavid T.の決めのフレーズが聴けます。右のカッティングはちょっとらしくありません。 Leon Russellのヒット曲のA5、原曲のエコー感はなくドライな音作りで南部感漂います。Claytonの情感豊かな歌いっぷり、歌のうまさが際立ちます。David T.はエンディング付近で高音部でのチョップ奏法を畳み掛けます。 Gospel風のBilly PrestonのA6でも、左からヴォーカルに絡むようなタメのあるオブリを多用したバッキングです。途中からWahサウンドも駆使します。(個人的にはWahいらないと思うのですが) 裏にひっくり返すと、いきなりBlusyなギターが炸裂します。James TaylorのBluesですが、より迫力を増した印象です。ヴォーカルが始まっても粘っこく、そしてEmotionalにレスポンスし、ギター的には本作のハイライトです。Soft&Mellowで語られることが多いDavid T.のプレイですが、根っこにBluesがあることをつくづく感じます。 Gospel風味を感じるCarole KingのB2でもB1の勢いを引きづって、熱っぽいオブリで絡みます。 FunkyなBill WithersのB2では、ヴォリュームが小さく、奥に引っ込んだように聴こえて残念です。 Leon Ware作のB5は、後年の官能性とは異なるサウンドで、David T.もWahギターで盛り上げます。 Merry ClaytonはN.Oの出身とのことですが、本作ではルーツのゴスペルや南部の匂いも濃く、サザンソウルファンでもある自分にとっては、David T.の参加は嬉しい限りです。(1stよりもDavid T.の活躍度が高いです) CDも再発されているようなので、ぜひ聴いてみてください。 事故による両足の切断を乗り越えて、昨年”Beautiful Scars”をリリースしています。こちらも円熟の名唱です。
Emotional度 | ♡♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡♡ B1聴いてください |
Mellow度 | ♡♡♡♡ |
お酒のお供度 | ♡♡♡♡♡ |
リンク