広瀬かおる / Shakin’ It Up (1982) – Robben Ford

セッションマンとしてのRobbenのプレイも歌心に溢れています。

A1. Cosmic Space City
2. Rila
3. Shakin' It Up
4. To You
5. It's So You


B1. Information Love
2. Lovin' Doll
3. Waving Dream
4. Passing Away
5. Round Midnight




広瀬かおるさんの'82年の作品です。シンガーソングライターとのことで、本作でも全曲の作曲、約半数の作曲を自身で行なっていますが、このレコードしか見たことがなくインナーにも経歴等は一切書かれていないのでどのような方なのかはわかりません。(すず、アリス、香美さんとも無関係と思われます)ジャケット、写真からすると結構トガった感じに見え、肝心のヴォーカルは力強いロック調からしっとりしたスロウまで歌いこなす実力派のようです。本人のヴォーカルもさることながら、半数ほどの曲でアレンジも担当したRobben Ford人脈と思われるL.A.録音のメンバーが超豪華です。レコード会社の期待値は高かったのだと推察されます。
’90年代の終わり頃、荻窪の中古屋でのエサ箱漁りでゲットしました。もちろんご本人のことは知らず裏ジャケのクレジットでRobbenの名前を見ての信用買いでした。レンタル落ちで500円、それほどレンタルされてなかったと見えジャケットは綺麗ですが、レンタル品ならではのオーバースプレーによる劣化があり、洗浄してもノイズは落ち切りませんでした。

<ギターの聴きどころ>

今ではBlues一辺倒のRobbenですが、この頃は売れっ子のセッションミュージシャンとしてFusion,AOR系を中心に結構な数のLPやライブに参加していました。その後のLukatherやLandauにも影響を与えたと思われるA1やB5での疾走感あふれるRockなプレイ、Reggae風のA2,Mellow GrooveのA3,B1,B2でのキレ、しっとしたスロウのA4,A5,B4での味わい深いバッキングなど曲によってサウンドとプレイスタイルを使い分け引き出しの多さを感じさせつつもいずれも紛れもないRobbenのプレイです。A1,A4,A5でのドライブサウンドはToo Muchですが、A2やB2,B4でのソロなど、ナチュラルトーンでの空間を生かした抑揚と歌心のあるプレイは絶妙です(Bluesを感じさせるプレイです)。ストラトを使いこなしているサウンドも見事です。90年代以降のBluesでのRobbenも好きですが、サウンドやプレイが激し過ぎると感じるアルバムもあり(何度も書いている通りBluesは大好きなのですがBlues Rockは苦手なのです)、個人的にはKazu松井さんとの共演作や、中本マリさんのバックでのプレイが大好きで、持ち前の歌心をメロウな曲で聴かせて欲しいと思っておりますのでそういう意味ではこの盤は大当たりでした。
Light Mellowとして取り上げられて以降、CD化されていないこともあり価格が高騰したようですが、最近は落ち着いてきたようで先日もユニオンで3000円未満の盤を見ました。セッションギタリストとしてのRobbenが好きな方、是非聴いてください。


Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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