Bobby Bland / After All (1986) - Wayne Bennett

Blandのヴォーカルだけでなく、ギターの味わい深さも際立つ1枚です。

A1. Second Hand Heart
 2. After All
 3. Walkin' & Talkin' & Singin' The Blues
 4. I Hear You Thinkin'
 5. There Ain't No Turnin' Back

 
B1. Love Me Or Leave Me
 2. Angel
 3. Sunday Morning Love
 4. I Stand Accused
 


 
Bobby "Blue" Blandの'86年の作品です。名作と名高い”Members Only”に続くMalaco移籍後の第二作です。金太郎飴と称される(私が勝手に思っているだけですが)Malacoサウンドに乗せて、迫力も包容力も兼ね備えたBlandのOne & OnlyなヴォーカルがBluesでもバラードでもたっぷり聴くことができます。
私が初めてBlandを聴いたのは、弊ブログでも何度か登場する高校時代の友人が貸してくれたJunior Parkerとのコンピ盤の2枚のLPでした。その時はJohnny Winterで知った「I Smell Trouble」や「it's my life、Baby」が入っていたもののJohnny Winterの弾きまくりプレイ&がなりたてるヴォーカルに比べて地味に感じ、今ひとつピンときませんでした。背伸びしてBlues好きを公言していたくせに・・・その後、ギター雑誌に"Allman Brothers"の名演で有名なストマンのBland盤でのWayne Bennettのプレイも素晴らしい、などと書かれているのを見て、高三の冬に受験の下見にかこつけて上京した際に渋谷のTowerで探したのですが見つからず、その時たまたま流れていたA1を気に入って、裏ジャケにはWayne Bennettの名前もあり、本作を新譜を購入しました。確か白シールで1890円でした。なお、受験の下見はそこそこに切り上げ、Towerやイシバシ楽器にいた時間のほうが長い不埒な受験生でした。すでに時効ですがこんなことをしていたので第一志望校には合格しなかったのでしょう。しかし、受験や大学は人生の一時期に過ぎませんが、本作のような素晴らしい音楽に出会えたことは、一生涯の糧になっていると思っており後悔はしておりません。すみません、余談でした。


<ギターの聴きどころ>

とはいえ、一応受験生なので、一度聴いた後は一旦封印し、受験後に改めて聴き込みました。Bland、Bluesの印象が強かったのですが、実は先に聴いていたアルバムでも”Someteime Tomorrow”が最も気に入っており、スロウやミディアムのSoulっぽい曲でも魅力を発揮しています。
さてさて、本作のギターです。何と入っても、ストマンなど往年の名曲での相棒であったWayne Bennettとの久々の共演が本作のハイライトと思います。聴く限り、ミディアムのA3とスロウBluesのB3にギターがBenettと思います。A3では12小節フルのソロはありませんが、息のあった掛け合いが聴けます。B3では、イントロからByrdlandと思われるフルアコにしてはやや硬めのサウンドでイントロから快調に飛ばし、Blandのボーカルが入った後もコードプレイとオブリを巧みに組み合わせたバッキングでBlandとコール&レスポンスしていきます。ソロもためとツッコミを使い分け、同様のコード進行と相まって、ストマンを彷彿とさせる滑らかで力強いプレイです。しかし、サウンドはやや平坦でもしかしたらアンプを使わずライン直なのでは?実は、自分はストマンより先にこちらや、Mighty Samでのプレイを先に聴いていて、ここから後追いでBenettのプレイを追いかけていくこととなります。
他の曲でも、個別曲のクレジットがなく誰のプレイかは分かりませんが、A1の音数少なく朴訥なプレイながら味わい深いイントロやソロ、スロウのA2,A5,B2,B5でのストラトによるヴァイオリン奏法も効果的に使ったオブリ、アップのB1でのRock&Funkテイストのあるリフやバッキングなど、どれもBluesやSoulを聴き始めて日が浅い自分にはギター面での素晴らしさ、美しさを感じました。(裏ジャケにはBernard Jenkins, Jerry Puckett, Jimmy Johnson, Larry Byromが記載されています)
思い出深さだけではなく、内容の良さもあり今でも愛聴する1枚です(特にA1は曲の良さもあり、大好きな曲でヘビロテしています)。BlandのMalaco期の作品、前述の通り金太郎飴なのですが、どこを切っても力強さ、味わい深さ、渋さが感じられる名作揃いです。ギター面でも味や表現について参考になる部分多いと思いますので、興味がある方、ぜひ聴いてみてください。



Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡♡ 歌もギターもMellowです
酒のお供度♡♡♡♡♡

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