Charles Williams / Trees And Grass And Things (1971) – Cornell Dupree

Dupree大フューチャーの隠れた名盤です。

 1. Trees And Grass And Things
 2. Chop! Chop!
 3. Cracklin' Bread
 4. Exactly Like You
 5. Booger Bear
 6. Moving Up
 7. Song From The Old Country

 


 
Charles Williamsの'71年の作品です。遅咲きのアルト奏者で、Mainstream Recordsからの2ndアルバムとなりますが、この時すでに39歳でジャケ写の深いシワが年輪を感じさせます。以前にDupree参加作として"Stickball"を紹介しており、基本的には同じ路線ながら、本作ではストリングスがない分よりBluesyでFunkyな内容となっています。
本作も「コテコテデラックス」で存在とDupreeの参加を知りました。早速探しに行ったのですが、なかなか見つからず、見つけた時にはいい値段で、聴いたことのないアーティストに大枚をはたくという冒険ができずにずっと購入を見送っておりました。'17年に1000円シリーズとして復刻され、20年の時を経て思いを遂げることができました。(”StickBall”も本作を知って買いました、1000円シリーズ、本当にお世話になりました)


<ギターの聴きどころ>

本作のギターはDupree一人で、Spinozzaこのやろう!とはならず?安心して聴けます。
1,イントロからいきなりDupreeのシングルノートのリフ(オルガンとユニゾン)です。ラテン風味を感じさせる曲調で、テーマの後ろでは丸みのあるカッティングでGrooveを主導しています。Galeがザクザクと重みとキレがあるカッティングを得意とするのとは対照的に、しなやかさと軽さが感じられます。そしてバッキングなのに音量もでかい!
2はスロウBluesです。1音半チョーキングからスタートし、タメと泣きのフレーズが続きます。空間の取り方も絶妙です。ピアノやサックスのソロでは、コードの刻みやオブリでバッキングし、エンディングを再びの泣きのソロで締めます。この曲の主役は完全にDupreeです。嬉しいけどなぜ?
3はミディアムシャッフルで、Dupreeのバリエーション豊かなBluesバッキングが光ります。中盤にはソロがあり、フィンガーボードにバターでも塗ってあるかのような滑らかな左手の指運びと、それに対してタメを効かせた右手のピッキングが微妙な味わいを醸し出しています。Galeのチョーキング&ビブラート&畳み掛け&強いピッキングでのぶった斬りソロとはやはり対照的な軽妙さです。
古いスタンダードの4,お得意のダブルストップのスライドを多用したバッキングで、合間にはさむ経過音やチョップもいい感じです。ソロはありませんが、バッキングのうまさが際立つ1曲です。
JB風のインスト5,9thを中心に発展させているバッキングがそれっぽさをさらに高めています。(余談ですが山岸さんが弾きそうなフレーズです)ソロでは、力の入ったピッキングでフレーズを繋いでいきます。空ピック多用でつっかかるようにも聴こえますが、リズムに乗ったプレイが流石です。
オルガンがアーシーな6、21世紀の今となっては古臭さも否めませんが、時代の熱気を感じます。ここでのdhupreeのソロは一際激しく、チョーキングビブラートと力強いピッキングで熱く盛り上がります。
ラストはエレガントなピアノでスタートし、収録曲間違えてない?と思いましたが、ラテン調に転換すると、他の曲と同様のイナタさで安心?しました。Blues進行以外のコードチェンジにも対応するDupreeのバッキングですが、ちょっと複雑にしすぎたプレイのように感じました。そして音量もでかい!
1枚を通じて、バッキングにソロにDupreeが大きくフューチャーされています。涼しくなってきた今こそ、この暑苦しい名盤を聴いてください。




Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡
酒のお供度♡♡♡

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