Charmaine Neville / Queen Of The Mardi Gras (1998) – 山岸潤史
食わず嫌いはやめて、山岸さんの好奇心と行動力を見習います。
1. Shoofly 2. Mardi Gras Mambo 3. It Ain't My Fault 4. Iko Iko 5. Mardi Gras In New Orleans 6. Carnival Time 7. Second Line 8. If I Ever Cease To Love 9. King Of The Mardi Gras 10. Whistle Krewe 11. Clean Up (After Mardi Gras) Charmaine Neville'98年の作品です。Nevilleファミリーの一員で、サックスのCharlesの娘さん(AaronやArtの姪御さんに当たります)です。自身の名を冠したバンドでの活動もしていましたが、今人名義では本作が初リリースのようです。リリース時32歳、すでに円熟したヴォーカルを聴かせています。プロデュースは、ミキシングやレコーディングも務め、キーボード・ギターでも参加しているMark Binghamで、緩さと激しさを併せ持つSecond Lineビートを中心に、カバーと自作曲を取り混ぜ、New Olreans感に溢れた内容になっています。 学生の時分だった80年代の末頃、New Orleans音楽が注目を浴び、私めの周りでも「意識高い系女子」の方々が夢中になっていたような記憶があります、私自身はへそ曲がりなもので、一過性の流行であろうとGuitar SlimやEarl Kingなど以外はあえて聴きませんでした。(当時から意識低い系の陰キャ男子だったもので、ボ・ガンボスがジャパン・ブルースカーニバルにB.B.やAlbert Kingと共に出演することを憤っていた側の人間でした。反省です・・・・) ところが、90年代の頭に、Metersのライブを聴いてノックアウトされ、遅ればせながらNew Orleans音楽を聴き始めました。本作は、音楽雑誌(確かBlues & Soul Record?)で山岸潤史参加、の文字を見つけて、速攻でUnionに向かい輸入盤(しかないけど)を新品で購入しました。私自身片足をほんの少し突っ込んだ程度で人に語れるほどN.O.の音楽聴いていませんが、初めて聴く人にもとっつきやすい内容だと思います。表裏のジャケットもかっこいいのでLPサイズで欲しい!
<ギターの聴きどころ>
山岸さんは95年に渡米、全くのゼロスタートで地元のクラブなどのセッションからスタートし、翌年にはWild Magboliasのレコーディングに参加しています。本作でもすっかり現地に定着し、メインのギタリストとして熱くて濃いギターを弾いています。 いきなり腰にくるビートの1,ワウによるカッティングで、中間部にはワウを使ったままのソロで、頭からノリノリのプレイです。 2は、かなりテンポを落としたゆったりとしたビートの中、ウラで引っ掛かるカッティングやアルペジオ、オブリでヴォーカルに絡みます。 Dr.Johnも取り上げた4もややテンポを落としつつも重量感のあるビートでスタートし、中盤ではシングルコイルのサウンドで、軽やかながらも粘りとタメのあるソロが聴けます。この曲は多くのカバーがありますが、Buckwheat Zydecoのバージョンも好きです。 5でも重いビートの中でキレのあるカッティングで、この曲でもリズムに乗り切ったソロがあります。 ライブのガヤから始まる6、イントロのピンポイントのBluesyなハーモナイズドチョーキングの後、スタッカートとテヌートを自然に使い分けるカッティングでGrooveを作っています。 タイトル通りのビートの7では、ハムバッキングのサウンドで、ギターが変わっても変わらない切れるカッティングと粘っこいソロが聴けます。 スロウの8では、コードとオブリを組み合わせたメロウバッキングでヴォーカルにレスポンスします。アップだけではなく、スロウでも実に いい味を出しています。 9でも、後半ためのあるプレイで、サックスと共にヴォーカルに情感たっぷりに絡んで行きます。 ラストの11では、哀感のあるスタートをヴァイオリン奏法などで盛り上げ、ビートが変わると変化の多いキレのあるカッティングで盛り上げます。 Wild MagnoliasやPapa Glows Funkは、時にヘヴィすぎると感じる時があるのですが、本作は安心して聴ける気がします。夏の暑さが終わる前にぜひ聴いてください。
Emotional度 | ♡♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡ |
お酒のお供度 | ♡♡♡♡ ライブで盛り上がりながら飲みたい! |
リンク