Eddie Harris / Come On Down! (1970) – Cornell Dupree
リンゴの次はミカンです。
1. Don't You Know Your Future's In Space 2. Live Right Now 3. Really 4. Nowhere To Go 5. Fooltish 6. Why Don't You Quit Eddie Harrisの'70年の作品です。Chicago出身のサックスプレイヤーですが、鍵盤も弾き、歌も歌う人のようで、何よりも本作で聴ける電気サックス(Varitone)をいち早く取り入れたことで有名なミュージシャンのようです。 昨日はリンゴ+サックスだったので、今日はミカン+サックスで行きたいという、ふざけた理由で取り上げたわけではありません。Tom Dowdをプロデューサーに迎え、DupreeやMG'sのDonald "Duck" などがバックを務めるコテコテ系Jazz Funkの名盤としてご紹介したいと思います。Wikiにも取り上げられていました。 JAZZ BESTコレクション 1000 ~アンコール編(これまで入手困難だった名作などを税込1000円で買える非常にありがたい企画です)の第一弾として、2014年にリリースされました。オリジナルがAtlanticということでもしやと思い、帯を見るとDupreeの名前がありました。しかも6曲中5曲も参加!ジャケットのデザインは???でしたが、1000円なので速攻で買いました。おまけに本物の🍊をつけてくれました。(嘘です)
<ギターの聴きどころ>
DupreeはJimmy O'Rourke(Brook BentonやKing Curtisの作品でも共演しています)とコンビで3以外に参加しています。左がDupreeです。 1.ではホーンにユニゾンするコードリフが印象的な曲で、後半のシャッフルビートでは得意のウラ打ちで独特のリズムを刻んでいます。 2.はハイハットと重いベースの組み合わせがGroovyで、Dupreeもウラの強いカッティングで応酬します。Wahがかかったような主役によるVaritoneの怪しい響きに続いてギターソロに入ります。突っかかるところと流れるところが混在するDupree節で、いつになく熱いプレイです。どこかで聴いたことがあるなと思いましたが、同じ時期のKing Curtisのライブでの"Change"のソロの後半と共通していました。(あっちの方が圧倒的にテンポが速いですが)無意識に出る手癖フレーズのようなものなのでしょうか? スロウの3(この曲のJazzギターはJoe Diorioという人のようです)で少し和んだ後は、ポップな4に続きます。ここでもウラを強調しつつシンコペのあるカッティングで盛り上げています。 ”Fever”を思わせるようなワンコード5,右の低音リフとのコンビでリズムを切り、7分の長弱でも単調さを感じさせません。Dupreeのカッティング、本作でもリズムを切るところと流すところ使い分けが絶妙です。 ラストの6、主役のVariotoneに同じフレーズでレスポンスし、曲が始まります。少し焦らしたような色気のある(ムッツリスケベのような?)フレーズが堪りません。その後もコール&レスポンスで曲が進み、後半の阿鼻叫喚的なVaritoneに対しても引き摺られることなく自分のペースでムッツリスケベを保ちます。 Varitoneについては、TC楽器さんのページに詳細がありましたので興味がある方はご覧ください。(TC楽器様、転載問題ありましたら削除しますのでその際はご一報願います)後のリリコン等とは異なる仕組みのようです。 しかし、ジャケットといい、電子サックス使用といい、昨日のTom Scottさんと被るところが大きい盤でした。 以下は妄想です。 EH=Eddie Harris, TS=Tom Scott 時は1981年、TSのL.Aの豪邸で電話が鳴る TS:はい、"Apple Juice"絶賛発売中のFusionサックスの人気者、Tom Scottです EH:お前がTomか?久しぶりやな、Eddi Harrisや!偉くなったもんやな! TS:(え、どっかで会ったかな?)どんな御用でしょうか? EH:お前、ワシをパクっとるやろ!今度のLPのジャケット、まんまワシのミカンやないか! TS:(おっさん、イチャモンかよ!)いえ、あれはSteve Carverというデザイナーに依頼(本当です)してお金も払っていますけど・・・ EH:それなら元祖のワシにも金払え!しかもお前が使ってるリリコン、これまたワシのVaritoneの真似やないか! TS:(あんな原始的なものより全然スタイリッシュだけどなあ・・・)いえいえ、リリコンは原理もサウンドも違います。最近落ち目だからといって言いがかりはやめてください。 EH:なんやと、若造!先輩をもっと敬え!このスットコドッコイが! TS:いえ、スコットです。スットコではありません。(チャンチャン!) フィクションです。 なお、Duoreeは、Eddie HarrisとLes McCanの双頭アルバム”Second Movement”にも参加しています。(これは本当です)併せて聴いてみてください。
Emotional度 | ♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |
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