King Curtis ‎/ Everybody’s Talkin’ (1972) – Cornell Dupree

King Curtisのスタジオ盤遺作です。

A1. Groove Me
 2. You're The One
 3. Honky Tonk
 4. Love The One You're With
 5. If I Were A Carpenter
 6. Everybody's Talkin'

B1. Ridin' Thumb
 2. Alexander's Ragtime Band
 3. Central Park
 4. Wet Funk (Low Down And Dirty)
 5. Ridin' Thumb - Jam





King Curtisの'72年作品です。不幸にも前年の'71年夏にジャンキーに刺されて37歳で亡くなってしまいましたので、Fillmore WestのLive盤ともども遺作となってしまいました。Live盤と共通するメンバーも多いBernard Purdie(Ds)、Jimmy Smith、Billy Preston,Richard Tee (Key)、Jerry Jemmott、Chuck Rainey(B)、the Memphis Hornsなど豪華なメンバーですが、曲によってメンバーが異なるので、Atlanticなどでの過去の録音を集めた作品と思われます。Slyの曲など当時のヒット曲も含むカバー中心の選曲で若干散漫な印象を受けますが、単なる二番煎じではなく、曲によってはサックスにワウをかけるなど新しい試みもなされていて、自身のヴォーカルも1曲あり、独自の世界を作り上げています。たらればはないのですが、もし不慮の出来事がなければR&B・Jazz、Funkいずれのフィールドでも第一人者として永く活躍したのではないでしょうか?

<ギターの聴きどころ>

DupreeはB4以外全曲に参加しています。
King FloydのA1では原曲に忠実なキレのいいカッティングです。
SlyのA2では、原曲のフィーリングを残しつつ、リフ、コード、自在なバッキングが聴けます。ドラム、ベースとのコンビネーションも見事です。
Gadd Gang でもやっていたA3は、素直な裏打ちのバッキングですが、ソロではBluesyです。David T.や、Billy Butler,Robert Lockwood Jr.のバージョンと聴き比べてみても面白いです。
ArethaもFillmoreでカバーしたA4は多重録音でコードバッキングとリフをプレイしています。ワウの効いたサックスはいかがなものでしょうか?
The Four Tops や Johnny CashもカバーしたA5は、淡々と低音のリフを繰り返します。
NilssonのA6はシンコペーションのあるカッティングとバイテン気味のカッティングでDupreeっぽいのですが、クレジットではJim O'Rourkeとなっています。
フォークデュオのSeals and Croftsのカバー、一発ものFunkのB1では淡々と音を切りますが、ブリッジのところでは単音リフで決めます。(原曲ではアコギでソロを弾いていて興味深いです)
タイトル通りラグタイム調でのB2は、後追いフレーズやタメたソロがMellowです。Steen Vigとのセッションでも同様のプレイがありました(7)。こういうプレイは本当にユニークです。
ドラマティックなB3はダブルストップを多用した味わい深いバッキングから、珍しいディストーションサウンドでのソロですが、フレージングはDupreeそのものです。
再びKing Curtis自身のヴォーカル曲のB4ではFunkというよりBluesの味わいです。チープなトレモロがかかったリフが味わい深いです。
B1のインストバーションのB5では、ソロも含め更に熱い演奏です。
Fillmoreほどのインパクトはありませんが、初期のDupree(その後もあまり変わってませんが)のプレイがたっぷり聴けるスタジオ録音で、隠れた名盤だと思っています。是非聴いてください。



Emotional度♡♡♡♡ 
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡♡  

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