The Dells / The Dells Sing Dionne Warwicke’s Greatest Hits (1972) – Phil Upchurch
熱く激しいヴォーカルを燻銀のプレイでサポートしています。
A1. I'll Never Fall In Love Again 2. Walk On By 3. This Guy's In Love With You 4. Raindrops Keep Fallin' On My Head 5. I Just Don't Know What To Do With Myself B1. Close To You 2. Trains And Boats And Planes 3. A House Is Not A Home 4. I Say A Little Prayer 5. Alfie 6. Wives And Lovers The Dellsの'72年の作品です。Dionne Warwick(タイトルの綴りが間違っていますが)の大ヒット曲をカバーした企画盤です。というよりもBurt Bacharachのカバー集といった方が適切な気がします。プロデュースとアレンジは、当時のDellsの他の作品同様、Charles Stepneyが担当し、Marvin Jr.の豪快かつ表現力に溢れた極太バリトンを核としたヴォーカルと、すでにベテランの域に達している絶妙なコーラスワークが活きるサウンドを作り上げています。 DellsはDramaticsとともに大好きなSoulグループの一つで、レコードを見つけるたびに値段が折り合いがつけば買っていました。本作は、DellsがBacharachのメロディを歌うだけでも嬉しいのに、さらにPhil Upchurchの名前が裏ジャケにあり、私にとっては1枚で二度三度美味しい盤です。購入した90年代の終わり頃では、まだCD再発されていなかったらしく、結構な値段でしたが、見つけると同時にレジに向かいました。
<ギターの聴きどころ>
Upchurchは、Roland Faulknerとコンビ(A5のみBluesギタリストの Cash McCallとコンビ)でプレイしています。結論を先に言うと、バッキングに専念していてソロはなく、A1での中盤以降のBluesyなオブリやコードワーク、A5でのFunkyなカッティング、B5の始めのJazzyなバッキングを除き、ほとんどの曲でオケに埋もれてかすかに聴こえるレベルの小音量です。ギターをたっぷり聴きたい方には物足りないかもしれませんが、美しいメロディを熱く歌い上げるヴォーカルを職人的にサポートしているという事実が自分にとっては価値があるのです。ソロ作ではトリッキーな一面も見せるUpchurchですが、よく評されるように、本作ではまさしく”燻銀”のプレイです。 なお、UpchurchやDellsとは関係ありませんが、Bacharachのギターカバー集として、David T.の”Beloved”を取り上げていますので合わせて聴いてみてください。 Dellsの作品もどれも素晴らしいので、興味がある方はぜひ聴いてください。
Emotional度 | ♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |
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