George Benson / Weekend In L.A. (1978) – Phil Upchurch

スターを盛り立てるバックミュージシャンの鏡です。

A1. Weekend In L.A.
 2. On Broadway

B1. Down Here On The Ground
 2. California P.M.
 3. The Greatest Love Of All

C1. It's All In The Game
 2. Windsong
 3. Ode To A Kudu

D1. Lady Blue
 2. We All Remember Wes
 3. We As Love
 
George Bensonの'78年の2枚組ライブ盤です。Tommy Lipumaのプロデュースの元、気心の知れた仲間たちと前年の'77年にRoxyで録音されています。BensonはWesの後継者と目されたジャズギタリストの頂点ですが、自身のヴォーカル曲を含む'76年のBreezin'の大ヒットでJazzのみならず、PopやR&Bのフィールドでも活躍するエンターテイナーの地位を確立しました。(何かのインタビューでもStevie Wonderのように歌いたかった、と答えていた気がします。ギターだけでは食っていけない、とも)本作でも数曲で自慢の喉を披露しています。ギターの腕前もトップクラス(しかも、さらりととんでもないフレーズを弾きこなしてしまう!)、ヴォーカルもいけて、甘いルックス、天は二物どころか三物をも与えたようです。歌がいけるとわかってもギターを忘れたことがないところも素晴らしいです。ジャンルは違いますが、歌もギターもイケるのはClaptonと共通しているように感じます。一貫してIbanezのシグネイチャーモデルを使い続けているところも、一途さを感じます。
このレコード、高一の時に当時地元で唯一の輸入盤を扱っていた新星堂で、店員さん(Jarreauのところでも書いた方です)にいいギター盤はないか聞いて、紹介してもらって買いました。ジャケットが擦れているのと試聴盤で使ったということで、3000円ぐらいの売価を1000円に負けてくれました。(本当によくしてくれてありがとうございました)
大人になった気がして何度も繰り返し聴きました。


<ギターの聴きどころ>

本作の主役はもちろんBenson先生でその超絶技に驚いていましたが、後年バンドや打ち込みを始めてアンサンブル全体を聴くようになって、Rhythm GuitarとしてクレジットされているUpchurchがバリバリのBensonを支えて地味にいい仕事をしていることに気づきました。
まずA面、キャッチーなメロディのbenson自作のA1(今でもこの曲を春に聴くとウキウキします)、 DriftersカバーのA2での時々シンコペーションするWahカッティングです。
B面に移り、おしゃれにアレンジされたB1でのコード+αのバッキング(Bensonのヴォーカルも含めDonny HathawayのLiveを彷彿とさせます)も引き出しの多さを感じさせ見事です。Benson自作のインストのB2やはり左でカッティングしていますが、もう1本以上、あとで重ねてますよね?後にWhitney HoustonもカバーしたB3,コードを基本とした堅実なバッキングです。
二枚目のC面、C1はここでもBensonのドヤ顔が目に浮かぶミディアムスロウのヴォーカル曲ですが、ウラを強調したバッキングでダブルストップを交えています。C2のインスト曲はややボリュームが上がりますが、しっかりとしたリズムを刻んでおり、Bensonの縦横無尽に弾きまくるリードと対照的です。C3はBensonのソロから入りますがやはり堅実にバッキングに徹しています。
D面はLeon Russell作の感動的なバラードからスタートします。バッキングの主体はピアノに任せ、ヴァイオリン奏法で彩を加えます。タイミング、音使いとも絶妙です。リズムが入るとミュート気味のカッティングに移り、合間に挟むオブリにセンスを感じます。原曲(後で聴きました)も悪くないですが、このバージョンの大袈裟な感じがたまらなく好きです。Stevie Wonder作のWes賛歌のD2もオクターブを主としたリードはBensonに任せ、カッティングのみです。
ほんとにライブのラスト?と思わせる哀感のあるスロウのD3,Benson先生はムーディーにスタートするもノッて来ると早いフレーズを弾きまくりますが、引っ張られることなく淡々とコードを刻みます。
ギターはBensonはGB10です。Upchurchのギターはぱっと見335かと思いましたが、ペグ、ヘッド、ポジションマークなど微妙に違いました。Fenderでもなさそうだし一体何?
ソロは主役に任せて1曲もありません。バッキングでもDavid T.やGale,Dupreeだったら、ついつい自分のお得意のフレーズで色を出してしまうところですが、Upchurchの場合、本当に裏方に徹しています。(かろうじてD1で自己主張しているぐらいです)Bensonの自己主張との対比が面白いですが、信頼される所以なのでしょう。その証に、多くのBensonのlpで"Rhythm Guitar"を任されています。


Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡ 

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George Benson / Weekend In L.A. (1978) – Phil Upchurch” に対して1件のコメントがあります。

  1. Doloris Kopplin より:

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