Jaye & Jaye’s Mass Choir – 君への贈り物 (2004) – 山岸潤史

Gospel盤でも変わらないJayeさんのシャウトと山岸さんのギターです。

 1. LET'S PRAISE HIM UP
2. HOLY GHOST
3. 君への贈り物
4. EARTH SOUL BEAT
5. 与えられし日々
6. ありがとう ごめんなさい
7. 命の輝き
8. 好きさ好きさ
9. お母さん
10. 家族の愛
11. 世界で一番
12. A CHANGE IS GONNA COME



Jaye & Jaye's Mass Choirの'04年の作品です。'90年代頭に、日本では数少ない「本格的な」Soulバンドとしてうるさ方のマニアをも唸らせたHuman Soulのバリトンリードだったaye公山さんが自ら率いる30名のゴスペルクワイヤーJaye's Mass Choirや日米の腕利きミュージシャンを率いて録音されたアルバムです。Jaye's Mass Choir名義では3枚目となる本作でも、和太鼓をフューチャーしたり、大半の曲を日本語にしたりと日本のゴスペルであることを志向しています。Human Soul時代のワイルドな(ワルい?)イメージに優しさが加わり、温和な表情のジャケットですがApolloの聴衆を沸かせた日本人離れのシャウトは、暖かい歌詞が多い中でも灼けつくような迫力でグイグイ迫ってきます。内容についてはJayeさんご本人が個別の曲を解説していますのでご参照ください。
Band Of Pleasureから逆引きでHuman Soulに辿り着き、そこから更にJayeさんの作品集めに進む中で入手した1枚です。中を開け、クレジットを確認したたところ、山岸さん参加という嬉しい贈り物がついていました。

<ギターの聴きどころ>

山岸さんはN.O.録音の2,10,12に参加しています。
重くウネるドラム・ベースが印象的な2、歌詞を聴かなければヘヴィなN.O.Funkです。Jayeさんのシャウトにも熱が入ります。山岸さんは左からフェイザーがかかったサウンドでシングルミュートとカッティングを組み合わせたバッキングで、リズムにキレを加えています。エンディング付近では歪みサウンドでのソロ、オブリが入り怒涛のシャウトと絡み合ったまま曲が終わります。
ミディアムシャッフルの10、いきなりJayeさんの濃いシャウトに圧倒されます。山岸さんは重いバックビートの上でミュート、カッティング、オブリを組み合わせてフリーにバッキングします。中でもリズムに乗りつつもBluesを感じさせるオブリは見事です。
偉大なるSam Cookeの名曲12、本当に大好きな曲で、不遇の中にあっても未来が変わることを予感する深い歌詞と美しいメロディは聴くたびに感動します。Otis Reddingなど非常に多くのカバーがありますが、日本でもQunchoさんや柳ジョージさんも熱唱しており、もちろんJayeさんも素晴らしい歌を聴かせてくれています。山岸さんはイントロからヴァイオリン奏法でドラマティックに盛り上げ、その後もJayeさんの慟哭するようなヴォーカルにタメタメのプレイで寄り添います。Qunchoさんのカバーでも山岸さんがタメタメ泣き泣きのエロいギターを弾いていますので是非聴き比べてみてください。また、Gospel盤では、ミュージカルのサントラ"Mama, I Want To Sing"でDavid T.とともにバックを務めていますのでこちらも聴いてください。
それ以外の曲のギターは、Human Soulからの盟友、Gucci谷口さんです。Human Soulでも味わい深いプレイでしたが、本作でもさらに円熟したギターを聴かせてくれています。2や9でのバッキングはDavid T.を彷彿とさせるようなメロウなサウンド、フレージングで、一方1や8ではストラトのハーフトーンによるキレのあるカッティングで幅の広さも持ち合わせ、山岸さんと相通じるところ(Human Soulでは歪みソロもあります)があると感じています。大好きなギタリストの一人です。

私めは無宗教で熱心なゴスペル愛好家ではなく大変僭越ですが、本作やSolomon Burke,Aretha,先日亡くなったCissy Houston(SoulとGospelいずれでも活躍された方々です)などのゴスペル盤を聴くと、昂揚と共に日々の生活の中での疲れや汚れが浄化されて行くように感じます。敬虔な信者の方には怒られてしまうかもしれませんが、世俗的な愛も神の愛も本質的には同じなのではと思っています。
とまれ、Jayeさんが願っておられる通り、このアルバムは私の「友」として心にあります。
Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡ (不謹慎ですが)

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