King Curtis & Champion Jack Dupree – Blues At Montreux (1973) – Cornell Dupree

二人のDupreeによるBluesです。ソロだけでなくバッキングにも注目してください。

A1. Junker's Blues
 2. Sneaky Pete 
 3. Everything's Gonna Be Alright

 
 
B1. Get With It
 2. Poor Boy Blues
 3. I'm Having Fun

 


King CurtisとChampion Jack Dupreeの'71年のMontreux Jazz Festivalでのライブ盤です。Arethaのバックなども務める予定であったKing CurtisとバンドのKing Pins、Bluesピアノ弾き語りでのChampion Jack Dupree(この頃はヨーロッパに住んでいたようです)、元々別々に出演する予定であったところ、一緒に飲んでいる際に盛り上がって急遽共演することが決まり、Atlanticのスタッフも一緒であったことから録音された内容がレコードとして発売されたようです。
Champion Jack Dupreeは、プロボクサーの経験も持ち、その時の名前をBluesmanとして使用したとのこと、Dupree姓であるためCornell Dupreeは息子などとまことしやかに語られたこともあったようですが、血縁関係はないようです。(紛らわしいので、本編に限りJackとCornellと表記します)
本作の存在は知りませんでしたが、90年代の頭ごろいつも通りDisk Unionでレコード漁りをしていたところ、LPのジャケットの真ん中に立っているCornellの姿に目が止まりました。急ぎ裏ジャケを確認したところ前述の内容のライブ盤であることがわかり、既にKing CurtisArethaのライブは聴いていて、ボロボロのジャケットでありながら2000円ぐらいだったと思いますが、即購入しました。

<ギターの聴きどころ>

全曲でKing Pinsの一員としてCornellがプレイしています。Jackの重量感がありながら転がるようなピアノによるスロウBluesA1でアルバムがスタートします。低音で歌うJackにKing Curtisがリフやソロで絡み、Cornellは9thを基調としたコードの刻みなどでバッキングします。
Jackのヴギウギピアノが印象的なA2、Cornellは控えめにコードを刻んでいますが、King Curtisを引き継いでの1コーラスのソロでは、テレキャス特有のトレブリーなサウンドで、低音部、高音部までを駆使し細かく音を刻んだたプレイを聴かせます。
同様にヴギウギのA3では、チョーキングやビブラートを間に挟み、タメやツッコミを効かせます。2コーラス目では勢いよく入って盛り上げるも、締めは抑えたプレイでJackに引き継ぎます。
B面はアップテンポのJump調でスタートします。ここでもKing Curtisのソロに続いてCornellもソロをプレイします。シャッフルヴギのリズムに乗りながらも独特のタイム感で揺らぎを感じさせながら流れるように音を繋いでいきます。後の”Teasin”の「Okie Dokie Stomp」に通じるプレイです。
スロウのB2、要所要所で9thコ-ドによるBluesバッキングを決め、ソロでは、空間をたっぷり取った部分と畳み掛ける部分、タメとツッコミ、メジャーとマイナーのペンタをそれぞれ組み合わせて歌うようにフレーズを重ねていきます。
ラストのシャッフルブギでも、ソロはありませんが、Grooveを感じさせるバッキングです。
本作、全曲がBluesで、Cornellのプレイ、流暢なソロはもちろんですが、9thをベースとして様々なバリエーションを駆使したバッキングパターンが参考になりました。(コードの使い方やリズムの取り方、出るところ・引っ込むところなど)Bluesのバッキングを身につけたいという方にも参考になるアルバムです。最近見ませんがぜひ聴いてみてください。




Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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