Lalo Schifrin / Towering Toccata (1977) – Eric Gale, John Tropea
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いつにも増して熱いGale! A1は牛乳を飲みながら聴かない方が良いかもしれません。
A1. Towering Toccata 2. Frances' Theme 3. Macumba 4. Eagles In Love B1. Theme From King Kong 2. Most Wanted Theme 3. Midnight Woman 4. Roller Coaster Lalo Schifrinの'77年の作品です。この人誰よ?という感じですが、Wikiによればアルゼンチン出身の作曲家、編曲家、ジャズピアニスト、指揮者で『ブリット』、『ダーティハリー』、『燃えよドラゴン』といった映画や、『スパイ大作戦』、『スタスキー&ハッチ』といったテレビシリーズの作曲家として有名だそうです(何一つ見てません)。本作にもThemeのつくタイトルが多く、映画、TV関連の曲が多いようです。それまでこの人のことは知りませんでしたが、90年代の終わり頃、新宿UnionJazz館のFusionのところに本作が入っており、タグにEric Gale参加と書いてあるのを見て購入しました。確か500円でした。開けてみるとGadd, Will LeeなどN.Y.の有名どころが参加していて、さすがCTI!
<ギターの聴きどころ>
ギターはGale(基本左)とJohn Tropea(基本右)です。 A1はあの有名なフレーズから入ります。真面目な音楽ファンにはバッハの「トッカータとフーガ」として認知度が非常に高い曲かと思いますが、不真面目な私なんぞは、初めて聴いた時「チャラリー 鼻から牛乳」を思い出してしまいました。GaddとWill Leeの作り出すタイトなリズムに乗せて曲は進行します。Galeは単音ミュートやパーカッシブなグリッサンドでGrooveに参加し、続いてタメとツッコミのあるドラマティックなソロを展開します。同時に右はキレのあるザクザクカッティングに移行しています。また単音に戻って曲を終えます。この曲は牛乳を飲みながら聴かない方がいいと思います。 一転して爽やかさを感じさせるA2では、フルートのテーマの後ろでのカッティングから入り、ややダークに曲調が転じたところで駆け上がりフレーズと連続チョーキング、トリルを多用するいつもの粘っこいソロに移り、フルートソロの後、エンディングに向けて再び熱いプレイでフェイドアウトします。 アフリカン調のA3,左で単音とカッティングを使い分けます。ここでも繰り返しフレーズ多用の熱いソロです。 A4ではラスト付近でヴァイオリン奏法を差し込んでいます。 キングコングのテーマB1では、フェイザーの強いTropeaのソロが先ず来ます。Galeのサウンドに似ている感じもありますが、エンディングに向けたGaleのソロのインパクトには及ばない気がしました。 B3でもGale節のロングソロが聴けます。美しきワンパターンの美学と超越した個性! B4では、リズムギター共演とGaleの力の入ったソロが聴き物です。 GaleはいつものSuper400と思いますが、Tropeaのこの頃はメイン機はなんだったんでしょうか?いずれにしても90年代後半からのアルバム(どれもいい作品です)でのL5(CTとCES)の典型的なフルアコサウンドとは異なる硬いサウンドです。 役割分担なのかも知れませんが、このアルバムではあまりにも強烈すぎるGaleの個性に霞んでしまった感じがあります。
Emotional度 | ♡♡♡♡♡ Galeのいつにも増した熱さ! |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |
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