New York Liner (1981) – Eric Gale
![](https://session-guitarist.net/wp-content/uploads/2022/07/New-York-Liner-e1657062626801.png)
3人の共演は癖の強さでGaleの圧勝です。
A1. Jamaica Man 2. Diane 3. Acoustic Fusion 4. Father's Finger B1. New York Guitar 2. Mattie's Song 3. Beale Street Boogie David Spinozza, Eric Gale, John Tropeaの3人のN.Yを代表するギタリストによる'81年の共演盤です。日本のElectric Birdによる企画で、David Matthewsがプロデュース、アレンジを担当しています。(Electric Birdはキングレコードの内のレーベルでFusionの盛り上がりに合わせて70年代後半に設立され、数々のFusion作品を企画・リリースしています) 自分が買ったのは、ブームが去った90年代の半ばで、Unionの500円以下のエサ箱を漁っている際、裏ジャケにSuper400を抱えたGaleの写真を発見、その頃はまだSpinozza,Tropeaはリーダー作は聴いておらず、どういうプレイなのか興味もあり、即、300円で救助いたしました。メンバーについても参照ください。
<ギターの聴きどころ>
Matthews自身によるインナーの解説(A3以外オーバーダブなし、などと恐ろしいことが書いてあります)に目をやりつつ早速針を落とすと、いきなりギターサウンドが聴こえてきて、続いて軽やかなReggaeのいリズムが入ってきます。この曲では、解説によると、テーマと2ndソロTropea,カッティングと1stソロGale,ハモリSpinozzaです。 Galeのソロはもちろんいつも通りですが、TropeaもGaleにインスパイアされたのかBluesyです。 MellowなA2は右のテーマがSpinozza、左のソロがTropeaです。途中からオクターブ奏法を駆使しています。その後は二人のハモリも聴けます。解説には書かれていませんがザクザクとしたカッティングがGaleと思います。 A3、アコギはTropeaとスピノザで、低音から高音まで駆使した粘っこいエレクトリックのソロがGaleです。 スロウのA4、アコギがTropea、右のドライブサウンドがSpinozzaです。倍テンになってからのカッティングがGaleでしょうか?日本サイドでのプロデューサーである川島氏の亡くなられたお父様に捧げた曲、との解説があります。 Teeのようなゴスペルピアノで始まるB1、ここではTropeaとSpinozzaがテーマをハモり、ソロを取ります。この曲でGaleはバッキングのみのようです。 続くB2は、情感とタメに溢れたGaleの泣き節でスタートします。甘く太い音ですが、この頃はRitenourの影響か、コンプレッサーが強い気がします。続いてSpinozzaのソロとなりますが、細かく音を刻む部分も交えつつ歌い上げていますが、端正なプレイで、Galeほどの泣きとクセはありません。 MemphisのBeale Street をテーマにしたというB3は、ゴスペルタッチのピアノとオルガンが印象的です。メロディはSpinozza、ハモりがTropea、タメとツッコミとチョーキングビブラートのソロがGaleで、技の二人を力で捩じ伏せるようなプレイです。3人がミュートでハモり、オルガンソロに引き継ぎます。 3人のギター、裏ジャケの写真では、GaleがSuper400、Spinozzaがハムに改造したテレキャス、Toropeaもテレキャスが写っています。 正直言いまして、私の駄耳では、解説なしでは、この盤でのTropeaとSpinozzaの聞き分けができません。その後、興味を持って二人のリーダー作も聴きました。その中でも、Tropeaの'99年の”A Simple Way To Say I Love You”以降の一連のフルアコを使用した作品は当時はやりのSmooth Jazzでは括れない美しいサウンドと歌心のあるプレイで、気に入って聴いています。
Emotional度 | ♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡ |
お酒のお供度 | ♡♡♡ |
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