New York Liner (1981) – Eric Gale

3人の共演は癖の強さでGaleの圧勝です。

A1. Jamaica Man
 2. Diane
 3. Acoustic Fusion
 4. Father's Finger

B1. New York Guitar
 2. Mattie's Song
 3. Beale Street Boogie


 
David Spinozza, Eric Gale, John Tropeaの3人のN.Yを代表するギタリストによる'81年の共演盤です。日本のElectric Birdによる企画で、David Matthewsがプロデュース、アレンジを担当しています。(Electric Birdはキングレコードの内のレーベルでFusionの盛り上がりに合わせて70年代後半に設立され、数々のFusion作品を企画・リリースしています)
自分が買ったのは、ブームが去った90年代の半ばで、Unionの500円以下のエサ箱を漁っている際、裏ジャケにSuper400を抱えたGaleの写真を発見、その頃はまだSpinozza,Tropeaはリーダー作は聴いておらず、どういうプレイなのか興味もあり、即、300円で救助いたしました。メンバーについても参照ください。


<ギターの聴きどころ>

Matthews自身によるインナーの解説(A3以外オーバーダブなし、などと恐ろしいことが書いてあります)に目をやりつつ早速針を落とすと、いきなりギターサウンドが聴こえてきて、続いて軽やかなReggaeのいリズムが入ってきます。この曲では、解説によると、テーマと2ndソロTropea,カッティングと1stソロGale,ハモリSpinozzaです。
Galeのソロはもちろんいつも通りですが、TropeaもGaleにインスパイアされたのかBluesyです。
MellowなA2は右のテーマがSpinozza、左のソロがTropeaです。途中からオクターブ奏法を駆使しています。その後は二人のハモリも聴けます。解説には書かれていませんがザクザクとしたカッティングがGaleと思います。
A3、アコギはTropeaとスピノザで、低音から高音まで駆使した粘っこいエレクトリックのソロがGaleです。
スロウのA4、アコギがTropea、右のドライブサウンドがSpinozzaです。倍テンになってからのカッティングがGaleでしょうか?日本サイドでのプロデューサーである川島氏の亡くなられたお父様に捧げた曲、との解説があります。
Teeのようなゴスペルピアノで始まるB1、ここではTropeaとSpinozzaがテーマをハモり、ソロを取ります。この曲でGaleはバッキングのみのようです。
続くB2は、情感とタメに溢れたGaleの泣き節でスタートします。甘く太い音ですが、この頃はRitenourの影響か、コンプレッサーが強い気がします。続いてSpinozzaのソロとなりますが、細かく音を刻む部分も交えつつ歌い上げていますが、端正なプレイで、Galeほどの泣きとクセはありません。
MemphisのBeale Street をテーマにしたというB3は、ゴスペルタッチのピアノとオルガンが印象的です。メロディはSpinozza、ハモりがTropea、タメとツッコミとチョーキングビブラートのソロがGaleで、技の二人を力で捩じ伏せるようなプレイです。3人がミュートでハモり、オルガンソロに引き継ぎます。
3人のギター、裏ジャケの写真では、GaleがSuper400、Spinozzaがハムに改造したテレキャス、Toropeaもテレキャスが写っています。
正直言いまして、私の駄耳では、解説なしでは、この盤でのTropeaとSpinozzaの聞き分けができません。その後、興味を持って二人のリーダー作も聴きました。その中でも、Tropeaの'99年の”A Simple Way To Say I Love You”以降の一連のフルアコを使用した作品は当時はやりのSmooth Jazzでは括れない美しいサウンドと歌心のあるプレイで、気に入って聴いています。


Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡    
お酒のお供度♡♡♡

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