上田知華 / I Will (1991) – David T. Walker

早すぎる逝去に合掌です。

 1. Rainy Rainy Rain
 2. Love Train
 3. Baby Don’t Change Your Mind
 4. Lean On Me
 5. I Will
 6. 9 To Me
 7. Colors
 8. I Can Smell The Swimming Pool
 9. Rolling On
10. Ai-Ga Arutte… 
11. I Will (Instrumental)



上田知華さんの91’年の作品です。今朝、新聞を読んでいたら訃報が出ておりびっくりしました。昨年9月に膵臓がんで亡くなられたそうです。享年64歳、早すぎる逝去に慎んでご冥福をお祈りいたします。
上田さんを初めて聴いたのは、小学生の時、ラジオで新曲発表のCMで流れた上田知華+KARYOBINの「オープン・ザ・ウィンドウ」でした。(その頃は、音楽番組の間に、推し曲の発売に合わせてCMで流していました。子供心にいい曲だと思い、CMを心待ちにしていた記憶があります。後で知ったのですが、この曲のリリース時はまだ音大在学中の若さということで早い時期からその才能を開花させたようです。本作購入時に、にわかにこの曲の記憶が蘇り、早速Unionで中古LPを購入し10数年を経て、懐かしい思い出と共に再び聴くことができました。)
さて、本作は、Ad libだったと思いますが、海外録音、David T.参加との広告が載っており、その頃のDavid T.参加盤の発売ラッシュで、金欠状態ではありましたが、無理をして発売日に購入しました。インナーには豪華な参加ミュージシャンが書かれていて、期待が高まります。
<ギターの聴きどころ>

まず、1枚通して聴きました。ギターは、David T.の他にMichael Landau,Michael Simpthon,Dean Parksが参加しています。個別曲のクレジット記載はありませんが、David T.は、2,3,4,9,10の5曲に参加しています。基本的に左がDavid T.で、右はDean Parksと思います。
2では、イントロからダブルストップのキメのフレーズが入り、ヴォーカルが始まると低音弦を強く弾くフレーズ、ダブルストップのスライド、ハンマリングオン、プリングオフなどさまざまな技を駆使して、掛け合いのようなプレイです。
続く3でも音量はやや小さいながら、低音弦から高音弦まで幅広い音域を使用したバッキングで、トリルのフレーズが印象的です。
ミディアムスロウの4では、イントロから艶やかなサウンドでダイナミクスのあるフレーズで、ヴォーカル、Wilton Felderのサックスと絡み合うようなプレイに続き、流れるようなMellowなソロも聴かせてくれます。
スロウの9でも美しいイントロ、ヴォーカル、コーラスの合間に入るオブリなど、エンディングに向けてのサックスとのコール&レスポンスのソロなど、全てが絶妙なプレイです。
10では、右に引っ越して、効果音的に下降のグリッサンド&トレモロフレーズを差し込んでいます。左も?と思いましたがParksでしょう。
その他の曲では、LandauとThompsonのコンビだと思います。6のBluesyなソロはLandauでしょう。8のラグタイム風のアコギは?

上田さんの透明感がありながらツヤ、伸び、力強さのあるヴォーカルと、達人たちのバックアップが見事に溶け合い、上質なAORに仕上がっています。サックスソロを朴訥な感もあるWilton Felderに任せ、軽くなっていないところもGoodです。(ヒット曲の5のインスト版の10のプレイ、泣けます。)

今井美樹さんの大ヒット曲の作者としても有名ですが、メロディーメーカー、シンガーとしての才能の割に寡作な気もします。新しい作品を聴くことは残念ながらできませんが、残してくれた曲を大切に聴きたいと思います。




Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡        

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