吉田美奈子 / 愛は思うまま (Let’s Do It) (1978) – David T. Walker

L.A.の敏腕ミュージシャンとの即席感を感じさせない名盤です。

A1. 愛は思うまま
 2. 恋の手ほどき
 3. 時よ
 4. 海
 5. アイッド・ラーザー・リーヴ・ホワイル・アイム・イン・ラヴ
 
 
B1. 愛の炎
 2. 猫
 3. 雲のゆくえに
 4. 影になりたい



 
 
吉田美奈子さんの'78年のPabroからの2ndです。カバーのA5を除き作詞は全曲が吉田さん、作曲は4曲が吉田さん、3曲が山下達郎さん、1曲が坂本龍一さんです。Billy Page, Gene Page兄弟のプロデュース(アレンジはBilly)の元、L.A.の敏腕ミュージシャンをバックにレコーディングされました。吉田さん自身は本作について、会社契約によって製作されたものであり、完成されたオケに歌入れしたことに対し、自身のコントロール下にないことや、バックのメンバーとのコミュニケーションにより作られたものではないことに少なからず不満があったようですが、出来上がった音は一体感が感じられ、そんな裏話を微塵も感じさせない素晴らしい出来です。(Page兄弟もここでは過剰にストリングスを入れていません)
”モノクローム”から吉田さんのレコードを集め始めたのですが、本作はなんとDavid T.が参加、多少高くても聴かないわけにはいかないということで大枚はたいて(私にしては)購入しました。

<ギターの聴きどころ>

裏ジャケのクレジットには、ギターはDavid T. Walker, Wah Wah Watson, Tim Mayと書かれています。
針を下ろした瞬間、右のカッティングやセンターの効果音によるイントロがディスコ調で少し???でしたが、吉田さんのヴォーカルはいつも通りで安心しました。直後に音量はやや小さめながら聴き慣れたDavid T.のサウンドが入ってきて、待ってました、という感じです。ギターは、アルバム通してDavid T.左、Tim May右、Watson左右中行ったり来たりが基本です。
A面では、スロウでのA2でのシングルノート、スロウハチロクA3での右の刻みとあえてずらしたコンビネーションプレイ、A4の比較的シンプルなコードプレイ、A5での緩急のあるオブリや短いソロなど、多彩なプレイが堪能できます。
ひっくり返すと、Leon WareやJohnny Bristolに通ずるようなMellow Groove B1が始まり、艶ややかなギターがヴォーカルに寄り添います。間奏部ではバッキングからの延長のソロがあります。
マイナー調のB2でも単音、コード、ダブルストップフリーなバッキングで曲を盛り上げます。
B3ではシングルトーンのリフと、ダブルストップ、高音部でのオブリ、ダブルストップのスライドなど得意技を組み合わせます。
ラストのスロウでは、前半控えめですが、曲が進むにつれ、小刻みにアルペジオとオブリを組み合わせ、メロウなムードを盛り上げます。
A面、B面ともDavid T.のプレイが堪能できますが、自分としては、どちらかといえばB面の方がDavid T.の活躍度が高いように感じました。せっかちな?David T.ファンの方はB面を先に聴いてみてください。
Watsonの効果音も、隠し味(隠れてませんが)としていい感じです。
先に述べた吉田さん本人の不満が、時間をかけてメンバーとセッションを重ねればよりよい作品に仕上がったのに、という思いだったのでしょうか?自分も本作の内容で十分満足に感じつつ、そんな作品になっていればさらに良かったのでは、などと勝手に妄想してしまいます。




Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡  

Youtubeは日本では許可していないようです。

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