酒井 潮 / Blues In My Soul (1979) – Eric Gale

Galeのギターたっぷりのオルガントリオ

A1. Blues In My Soul
 2. Quiet House

B1. It's Too Late
 2. I Remember Pepe
 3. Down To The Earth

 

酒井潮さんの'79年発表のオルガントリオでの演奏です。B1がCarole King(Bluesの3Kingでないところは洒落なのでしょうか)の有名曲である以外は、酒井さんのオリジナルです。酒井さんを知ったのは、塩次伸二さんの「Cookin' With B3」('93年に新譜で買いました)で、Charles Earlandとともに、Bluesy なプレイを聴かせてくれていました。しかし、その時はそれ以上のことはわかりませんでした。その2年後ぐらいに、神田の古本屋で'70年代のAd Libギター特集を立ち読みしていたらEric Galeのインタビューが載っており、「日本の酒井潮とレコーディングする」と書いてあって、オルガン好きでもあるのでずっと探していました。時を経てネット時代となりヤフオクなどでもチェックしましたが見つからず、新宿ユニオンで見かけたものの値段が折り合わず見送り、なかなか聴くことができずにいましたが、今は亡き町田のレコファンのエサ箱に入っており、破格の値段で手に入れました。その後も見かけたことはありませんので、プレス数自体が少ないのでしょうか?あるいは、リスナーが手放さないのでしょうか?いずれにしてもラッキーでした。今はネットの影響で相場が形成されており、なかなかこういう掘り出し物に出会うことがなくなり、レコード屋周りの楽しみが少し減ってしまいました。見つけたら是非買って聴いてください
    

<聴きどころ>

酒井さん、Gale, Donald Bailey(Dr)の3人でベースはオルガンのペダルです。日本で1日でレコーディングされています。最小限の編成であるため、各楽器の音が鮮明に聴こえ、Galeのギターもたっぷり聞けます。1曲目、いきなりBluesです。Bluesyと評されるGaleですが、Blues以外の曲でもBlues Feelingとペンタで押し切ってしまうことが多いもののDavid T.のSwing Street Cafeや、DupreeのTeasin'のようなBluesアルバムはなく、純粋なブルース進行のこの曲やB3は貴重です。いつもよりさらにWet感が増した音色でスタートし、バッキング、オブリを巧みに弾き分けていきます。ソロは抑え気味に低音からが入りますが、徐々に熱くなり、マイナーペンタ、メジャーペンタをチョーキングやビブラート、タメとツッコミ、そして「間」を交えて4コーラスたっぷり歌い上げて行きます。音遣いやフレーズはB.B. Kingに通じるのですが、出音が違って聴こえるのがGaleの強烈な個性ゆえんだと思います。A2はなんとなくSantanaがやりそうな曲で、今回、Galeのトーンは比較的クリーンですが、もう少し歪ませたらSantanaぽく聴こえるように思えました。B1は若干テンポを上げつつも原曲のテイストを感じさせてスタートします。曲が進むと全員がヒートアップし、Galeも高音源でのトレモロを多用しながらいつも冷静に見えるGale がいつになく激しいプレイを聴かせます。18インチのSuper400の胴鳴りがビンビン響いていそうです。B2はスロウで、クールダウンした美しさがあります。ラストのB3はJazz BluesでGaleが一人二役をやっていますが、なんとなく疲れが見えてダレやアウトなフレーズも聴かれます。そこを酒井さんが最後まで頑張ろう的に盛り上げ、エンディングを迎えます。Bluesに始まり、Bluesに終わる。WineではなくBourbonで。しつこくも美しい、孤高の世界です。
Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡ 
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