Grover Washington, Jr. / Inner City Blues (1972) – Eric Gale

Galeはソロにバッキングに大活躍です。

 1. Inner City Blues
 2. Georgia On My Mind
 3. Mercy Mercy Me (The Ecology)
 4. Ain't No Sunshine / Theme From "Man And Boy" ("Better Days")
 5. Until It's Time For You To Go
 6. I Loves You Porgy

 


Grover Washington, Jr.の'71年の作品です。遅咲きのいミュージシャン、記念すべき初のリーダー作で、設立直後のKuduの3作目としてリリースされています。プロデュースはCreed Taylor、アレンジはBob James、バックを務めるのはいつものCTIファミリーです。録音は前年の'71年で、当時のヒット曲である1や3,4が早速カバーされており、Creed Taylorの意気込みが窺えます。
"Winelight"以降の作品がFusionエサ箱ノイ常連である一方、70年代前半の作品はタマ数も少ないせいかなかなか音が下がらず、'15年に再発された1000円のMo Jazzシリーズ国内盤を購入しました。



<ギターの聴きどころ>

Elektra時代まで長く続くGWJとGaleの関係もここからスタートしています。本作では、バッキングにソロに準主役級の活躍をしています。
コンガに続いて、Wahの効果音、印象的なリフ、カッティングと複数重ねられたギターが入ります。極め付けはソロで、やや抑えめに入るものの、徐々に盛り上がり、高音部のチョーキングや繰り返しフレーズで畳見かけていきます。川うたサウンドと突っかかり気味のピッキングで全くスムースさを感じさせないのですが、うまく流れに乗っています。しかし、カッティングの方が主役のアルトよりヴォリュームがでかいのでは?
続くスタンダードの2では、リヴァーブの強い濡れたサウンドでメロウにイントロを決めています。個性の強さはここでも健在で、1音聴いただけでGaleとわかります。中間部では一転して1.同様のBluesyなフレーズの連発に変わり、淡白な主役のアルトとの対比が印象的です。
3もMarvin Gayeのカバーで、曲調に合わせたのか、いつものザクザク感を抑えたちょっとらしくないカッティングを聴かせています。
Bill Withersの4も、Jazz/Fusionでも多くのカバーがあります。ここでもヴァイオリン奏法でしっとりと入るもアタックの強いGale節に変わり、主役のテーマに引き継ぎます。中間部での空間を使いながらも押し出しの強いソロでメドレーをつなぎます。
スロウの5ではメリハリのあるコードバッキングで曲にダイナミクスを加えています。
『ポーギーとべス』の6もストリングスなどのオーケストレーションをバックとしたムーディーな曲ですが、中間部にワンポイントでムードを切り裂くようなソロを入れています。(個人的には5,6の大袈裟なアレンジが鼻に付久野ですが)
ともあれ、のちのクリスタルな楽曲では聴けないようなアクの強いGaleの演奏が聴けて満足度の高い1枚です。




Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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