山本剛 – Another Holiday (1985) - Robben Ford

ストラトの繊細なハーフトーンが歌ごころを際立たせています。

A1. Without You
2. Another Holiday
3. Under Construction
4. Yukimai


B1. P.S. I Love You
2. Time Slip
3. Groovin' High (Dedicated To D.G.)




コテコテなものが続いたので、爽やかなものを取り上げました。
山本剛さんの'85年の作品です。60年代よりプロとしての活動を始め、ミッキーカーティスのバンドメンバー、海外での演奏等を経て、74年にリーダー作を発表、以後50年に亘って日本を代表するJazzピアニストとして活躍し、現在も現役でライブ等を行なっています。
しかし、Jazzというよりは、エレピの使用比率が高く、歌うベーシストNathan Eastが参加するなど、メロウFusionで、山本さんの数ある作品の中でも異色の存在のようです。「ようです」と推量の書き方をしていますが、実は私が聴いた山本さんの作品はこれ1枚だけで、他の作品を聴いていないからです。ご本人は、インタビューで、こっちの方向に進むのを(ファンが)喜ばなかったのかウケが良くなかった、というようなことを語っていらっしゃいます。しかし、純Jazzということにこだわらなければ、内容、オーディオ的な音質とも非常に高い水準にある作品だと思います。
購入の動機も不純で、ユニオンのJapanese Jazzのエサ箱でいつものように裏ジャケ探索していたところ、Robben Ford(とNathan East)の名前を発見し、表裏のシュールなジャケットのセンスには疑問を抱きつつも、ワンコインだったため入手した次第であります。



<ギターの聴きどころ>

そして、何を隠そう、私は'90年代以降のRockテイストに傾斜したBlues時代のRobbenより、本作や、Kazu Matsui PJ、中本マリさんの作品で聞かれるようなメロウなRobbenの方が好きなのであります。(本人もこういう作品は好きではないようですが)荒々しさやスピード感もRobbenの持ち味なのでしょうが、美しいメロディを歌心たっぷりに奏でるプレイにより魅力を感じます。本作では、サウンドも歪んでおらず、ストラトの美しいハーフトーンが繊細なタッチやピッキングニュアンスを余すところなく伝えています。
作者でもあるNathan Eastのヴォーカルがメロウ(Bozあたりを目指しつつカマっぽい気もしますが)なA1での出過ぎないバッキング、続くA2,A3でのコントロールの行き届いたオブリやソロ、当時流行りのコーラスをかけたりしていますが、タメ、ツッコミ、空間活用もあり、ただ甘いだけではなくBluesフィーリングも充分、自然にフレーズが湧き出てくると思われる極上のプレイです。余談ながら、山岸さんのストラトでのプレイやサウンド(もちろん、歪みではなくクリーントーンの方です)も、Robbenの影響大なのでは?
山本さんのファン、Blues Rock時代のRobbenのファンの皆様には大変申し訳ないのですが、メロウなRobbenのファンの方にこそ、ぜひ聴いていただきたい傑作です。Robbenさん、またこういうギターを弾いてくれないでしょうか!





Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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