ChickenShack / ChickenShack V (1989) – 山岸潤史

演奏も曲もいいのですが、やや散漫な印象を受けました。

 1. From Tokyo With Love
 2. I Remember You
 3. It's You
 4. Godzilla On My Pillow
 5. Chicken Report
 6. I Don't Wanna Be Alone
 7. Noon Crew
 8. Now Or Never
 9. Brother Sunshine
10. Still At Temps





早いもので、土岐さんが亡くなられてもう2年がたちました。メロウかつセクシーなプレイが大好きで、弊ブログでも、リーダー作松岡直也さんとの双頭ユニットRio SonアニメのサントラToki Clubなど数多く取り上げさせていただきました。土岐さんを偲んで、今回はChickenShackの'89年の作品を紹介させてください。1枚目から3枚目まではドラムやベースのメンバーチェンジが続きましたが、本作でも前作同様Marvin BakerとBobby Watsonがリズム隊を担当しています。メンバーがようやく固定されたかと思いきや、なぜかGadsonが2曲に参加していたり、打ち込みの曲があったりで、それぞれが優れたセッションマン、年に1枚ペースのリリースに対し、レコーディングのスケジュールが合わなかったのでしょうか?サウンド的にはBlack色が増し、曲のバラエティも増えたと感じる一方、曲の方向性が違っており、全体的な統一感という意味では散漫な印象も受けました。(メンバーの演奏、バンドとしてのGrooveの素晴らしさは言うまでもありません。)今でも、ILoving Powerシリーズのように1枚通して聴ける盤とは異なる気がしています。


<ギターの聴きどころ>

本作では、キレの良いカッティング、メロウなプレイ、ドライブサウンドでおソロと、山岸さんはこれまでの作品以上に多様なサウンドとプレイスタイルを駆使しています。(曲順と相まって、これが散漫に聞こえた原因かもしれません)
1の空間を埋めるようなストラトでのシャープなカッティング、Rock調のハードなソロ、Ernie Isleyを狙ったのでしょうか?
2では一転して土岐さんのサックスがメロウに歌うミディアムスロウで、ここではイントロでのピンポイントのトレモロ+グリッサンド以外は控えめなバッキングに徹しています。
3は歌物で、なんとMichael Wycoffがリードです。(汐留PitでのDavid T.とのライブでもキーボードとヴォーカルを担当していました)終始キレの良いカッティングで滑らかなヴォーカルに寄り添います。
4も途中のブレイクでBluesフレーズの遊びが入りますがそれ以外はキレの良いカッティングです、土岐さんのフレーズも一部アバンギャルドですが、自分の好みとは違う気がしました。
5はタイトルから連想するに某天気予報のオマージュでしょうか?土岐さんの参加はほんの少しで、山岸さんは全く参加していない?
6も歌物です。ここでは347と思われるメロウなサウンドでオクターブ交えてメロウで粘っこいソロをたっぷり聴かせます。待ってました、と言う感じです。
7は機械を感じさせるFunkビートにシングルミュートのバッキングを乗せ、ドライブソロも飛び出します。
同じくFunkビートの8,歌物ですが、山岸さんは後半以降にシャープなカッティングのオブリを少し差し込む程度の参加です。
David T.に捧げられた9、ちょっと「Love Won't Let Me Wait」を思わせる左のメロディとオクターブ奏法ですが、右にも メロウなオブリを差し入れてきて良い感じです。後半は意表を突いてドライブサウンドでの豪快なソロですが、個人的にはこの展開は違和感を覚えました。
ラストは、Iの1曲目のアンサーソングです。(川畑さんも先日お亡くなりになりました。合掌です。)ギターもサックスも同様の妖艶さを感じさせます。結成当時の初心に帰りたいと思わせる何かがあったのでしょうか?勝手な憶測ですが、売れ線を狙わせるレコード会社の意向に対する反発や、メンバー間に音楽的な方向性の違いが出てきたのでは?と思っています。元々自然発生的なセッションバンドであり長く続けるつもりはなかったと思われ、そろそろ解散が近いのでは?などと考えてしまいました。
土岐さんの追悼と言いながらちょっと否定的な意見が多くなってしまいました。あくまで個人の意見ですので、皆様も他のChickenshackの作品と聴き比べてみてください。





Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡ ♡
Mellow度♡♡♡♡ メロウ基調が薄れた気がします
お酒のお供度♡♡♡♡ どの曲もお酒に合うのですが1枚通して聴くには辛いかもです。

なお、Youtubeには「エロはダメじゃ!」と却下されたので、苦し紛れで裏ジャケで再登録しました。裏ジャケもそれモンと思いますがなぜか許されました。

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