David T. Walker / Y- Ence (1987)

今日が82歳の誕生日、いつまでもお元気で長生きしてください。

A1. Tectonics
 2. Y • Ence
 3. Try One World
 4. Warmth Of The Sun

B1. Overstanding • Understanding
 2. Pride And Delight
 3. Humor



 
今日、誕生日を迎えたDavid T.の'87年の作品です。リーダー作としては、'76年の"On Love"以降、11年ぶりです。スタジオやツアーなどセッションマンとしての活動が多忙を極め自分の作品まで手が回らなかったとインタビューで答えていました。当時から日本にも根強いファンが多く、日本企画盤としてアルファムーンのサブレーベルであるBaked Potatoよりリリースされました。バックを務めるのはGadsonはじめ旧知のL.A.のミュージシャンで、「David T.Walker & Warm Heart」としてクレジットされています。(インナーには写真があります。)
本作は、自分が初めて買ったDavid T.のリーダー作で、数ある作品の中でも思い出深い1枚です。当時受験生だったのですが、ギターマガジンで本作の発売を知り、試験が終わって新幹線で帰ってきたその足でレコード店に向かい、受験による封印を解き、久々にターンテーブルに乗せた1枚でした。(こんなことをしているので第一志望校は不合格でしたが)今まで、FMなどでしか聴いたことがなかったDavid T.のギター、楽しみにしつつ針を下ろしました。



<ギターの聴きどころ>

出て来たソロギターサウンドはトレブリーで、フレーズもメロウというよりはテクニカルな印象を受けました。"On Love"の「Loving You」とは違う曲調で、想像していたものとは異なり、面食らいました。バンドが入ってきてようやく望んでいたサウンドに近づいて来ましたが、サウンドも鮮明すぎて?違和感がありました。2曲目以降もDavid T.のギター満載なのですが、自分が聴きたかったもの(シンプルで美しいメロディを情感たっぷりにプレイする)とはちょっと違う気がして、少しがっかりした記憶があります。すでに聴いていたアンリ菅野さんの"Sunshine Dream"とサウンドの傾向は似ていたものの(アンプ、ジャズコでしょうか)、歌版でのプレイと比較し、少し難解さを感じました。
その後、上京、過去のリーダー作や参加作を聴き漁り、少しづつコピーの真似事などをするようになり、本作も擦り切れるほど聴き、独特の音使い、微妙なタイミング、繊細なタッチ、歌うようなプレイの凄さをあらためて感じました。(とてもコピーできないということもあらためて痛感しました。)
この作品をきっかけに、その後レーベルは変わるものの、定期的に日本での企画版がリリースされることになり、その意味でもDavid T. にとっても重要なターニングポイントになる作品であったと思います。インナーにはDavid T.自身による各曲の解説が書かれているのでぜひご参照ください。
擦り切れたため、中古CDを買い直し(高かった!)、さらにLP盤も中古で発見したのでもう1枚買いました。(店員が相場を知らなかったらしく激安!)それほど自分にとって大事な1枚(3枚?)です。
御年82歳、いつまでもお元気で長生きしてください。私めもお祝いに便乗して本作聴きながらビールでも飲もうかな、と思います。
(インナーのByrdlandを奏でている写真だけで3杯ぐらいいけそうです)。

Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡  
お酒のお供度♡♡♡♡

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