Eric Gale / Part Of You (1979)

小春日和にGaleの優しいギターが滲みてきます。

A1. Let-Me-Slip-It-To-You
 2. Part Of You 
 3. Trio


B1. Lookin' Good
 2. Nezumi
 3. Holding On To Love



Galeの'79年の作品です。すみません、リーダー作です。毎年、この時期(11月)になると、このLPを聴きたくなり、皆様と共有したいと思いまして選んでしまいました。本作もGale人脈でGadd,Teeのスタッフメンバーはじめ、超豪華な布陣で録音されています。(Bassは、4曲で自身が弾いており、昔本職だっただけあって流石の腕前です)内容も、純Jazz、Funkyなナンバー、メロウなスロウとバラエティに富んでいます。Galeのソロで初めて聴いたのはIsland Breezeでしたが、Joe Cocker のStingrayのプレイにも痺れ、参加作品だけではなく、ソロ作品も全て買い集めました。(ブームが去ったあとのフュージョン作品は、名盤と言われ他ものまで尽くエサ箱行きで、安く揃える事ができました)
その中でも、本作・ファーストのForecast・ラスト作となるUtopiaが、(いつもは苦虫を噛み潰したような表情の)Galeの本来の暖かさや、ロマンチストなところが色濃く出ていると感じていて、数ある名演の中でも特に気に入って聴いています。A2,B3を聴くと、こんな小春日和の穏やかな日にはGaleの優しさが滲みてきて、山口百恵さん(作者のさだまさしさんも)愛聴しているかもしれません。ジャケットもいつにない穏やかな顔が大写しになっていて素敵です。

<ギターの聴きどころ>

リズムもリードもGaleです。
1発目は Stuff風でもあり、ホーンの使い方がなんとなくBob Jameっぽい感じもするFunkyなチューンです。自身の多重録音によるカッティングはリズミカルですが、テーマはスケールの大きい余裕たっぷりのフレーズからスタートして、所々畳み掛けるようなプレイも挟みながらよく歌っています。
A2は、ダブルストップを多用したテーマも、淡々と弾いているように聞こえるメロディーも泣きのチョーキングも、優しさと切なさに溢れていて、自分の一部に取り込んでしましたいぐらいの美しさです。
A3は、タイトル通り、Organ、DrumsとのトリオによるJazzです。しかし、コードバッキング、ソロいずれも、Jazzを意識しつつも、熱くなってくるとGale節になっていきます。
男の哀愁、的なB1でも淡々とリズムを刻み、メロディーを紡ぎます。Grover Washington Jrを引き継いでソロに入ると後半では
ハイポジションでチョーキングをかまします、(Super400では弾き辛かろうと思います)
B2では低音弦から高音減まで駆使し、駆け上がるようなフレーズ、ロングトーンのチョーキング、トレモロ、トリル、ブレイクでのカッティングなど多彩なフレーズを組み合わせて曲を作り上げています。一貫しているのはクドさと思います。タイトルの意味は?
そして、ラストを締めるのは再び美しいスロウです。イントロの低音弦のトレモロが、美メロがくることを予感させ、スライドを多用したダブルストップの間に、グッとくるチョーキングを突っ込んできます。テンポが変わるとリズムに乗りつつ、空間と強弱のある情熱的なプレイでエンディングに向かっていきます。いつまでも聴き続けていたい気持ちにさせられる一方、聴き終わった後でも余韻が残る美しさです。美辞麗句を駆使しない不器用な優しさや愛情という感じで、それだけストレート響き、ピュアに心に染みてきます。
春が来る頃、暖かさとともにまた聴きたくなる作品です。


Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡♡ (A2,B3聴いてください)
酒のお供度♡♡♡♡ 

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