Eric Gale / Utopia (1998)

Galeの優しさと愛情に溢れています。

 1. Utopia
 2. Just To See Her
 3. My One And Only Love
 4. You Don't Know What Love Is
 5. Lost In Love
 6. Rising Sun
 7. When I Fall In Love


Eric Galeの98’年の作品です。今日はGaleの命日です。亡くなったのが94年ですのでもう30年近く経つこと、時の速さに驚きです。本作は生前'91年に録音された未発表曲を4周忌を機に日本からリリースされました。インナー記載のクレジットではドラム、ベース、キーボードにGaleのギターという構成で、カバーやスタンダード、オリジナル曲取り混ぜた7曲が収録されています。(なお、クレジットの下には、レーベルより、Masako夫人のリリースの承諾と、Masako夫人に顔つなぎしてくれた盟友Gordon Edwards,近藤房之介さんへの謝辞が書かれています。)インナーには、本作がリリースされるまでの経緯に加え、3人のお嬢様の写真とメッセージが書かれていて涙を誘いますが、ご家族を大事にしてきたGaleの愛情や、幸福感を感じ温かい気持ちにもなります。(恥ずかしながら、この作品を聴きながらインナーを見たときに大泣きしてしまいました。)亡くなった後も参加したレコードを集めてGaleのプレイを聴いていたので94年の訃報以降も実感が湧きませんでしたが、このCDを聴いた途端に、本当に亡くなったということを改めて思い知らされました。
いくら時が経とうとも決して色褪せることのない味わい深いギター、本当にOne & Onlyの存在でした。いつかはGaleのようなギターが弾きたいと思い続けて数十年、まだまだ足元にも及びません。さすがにSuper400は買えませんでしたが、少しでも近づきたくて無理してL4を買いました。
Galeがいなければ、こんなに音楽やギターに夢中にならなかったかもしれませんし、こんな拙いブログも書いてないと思います。自分の人生において喜びと感動を与えてくれたこと、今更ながら心から感謝します。



<ギターの聴きどころ>

タイトル曲の1は、奥様のMasako夫人との共作とのことで、Utopiaという言葉の印象とは異なりややもの哀しさを感じさせるメロディですが、日本的な情緒や安らぎを感じさせる曲です。数少ないアコギでのプレイですが、紛れももないGale節です。変にエフェクトがかかっていない分、タッチがダイレクトに伝わってきます。
Smokey Robinsonのカバーの2、スタンダードの3,4、Tom Scottの5(オリジナルにもGaleが参加しています)では、ナチュラルトーンで美しいメロディを歌い上げています。エフェクトの薄いナチュラルトーンですが、チョーキング、ビブラート、ピッキングの強弱などで微妙なニュアンスまで表現しきっています。3は、大好きな曲で多くのギタリストも取り上げていますが、Galeのプレイはテクニックに走らず、素朴ながら心のままに弾いている感じがし、優しさと愛情が溢れています。
オリジナルの6,最初のテーマはしっとりとしたオクターブ奏法ですが、曲が進みソロになるとチョーキング・ビブラート、トリル、メリハリのあるピッキングでいつものGaleのプレイになります。後半ではオクターブと交互に出てきてより一層の味わい深さです。
ラストのスタンダードの7でも、間を生かしながら、タメを聴かせて情感タップリにプレイしています。
シンプルな構成に乗って、ナチュラルトーンで優しく歌い上げるGaleのプレイ、数多あるソロ作・参加作の中でも最も気に入っている1枚です。時々Unionでも見かけます。是非聴いてください。きっと優しい気持ちになれます。


Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡        
優しさと愛情度♡♡♡♡♡♡♡

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