Etta James / Rocks The House (1983) – David T. Walker

大迫力のEtta Jamesのバックで、若き日のDavid T.のプレイが聴けます。

 1. Something's Got A Hold On Me
 2. Baby What You Want Me To Do
 3. What'd I Say
 4. Money (That's What I Want)
 5. Seven Day Fool
 6. Sweet Little Angel
 7. Ooh Poo Pah Doo
 8. Woke Up This Morning
 9. Ain't That Lovin' You Baby
10. All I Could Do Is Cry
11. I Just Want To Make Love To You








大好きな女性シンガーの一人、Etta Jamesの'63年のライブ盤です。同年のNashvilleで9月の2日間にわたるライブから選ばれた曲が収録されており、ChessのJazzレーベルであったAgoよりリリースされています。Etta Jamesまだ26歳であるにも関わらず、貫禄と迫力に満ち溢れたパフォーマンスにまず度肝を抜かれます。これ以前のスタジオ盤ではChessの意向もあり、ネコを被っていましたが、見事に本性をむき出しにしています。そして、当時まだ22歳だったDavid T. Walkerが参加していることがギターファンにとっては本作の魅力ではないでしょうか?
本作は、Soul誌やBlues誌で名盤として必ずと言っていいほど紹介されており、ギター誌でもDavid T.参加盤として取り上げられていたため、存在は知っていたのですが、見かける頻度が少なく、たまに見つけても結構いい値段だったので見送り続けていました。世紀が変わって10年以上経った'13年に日本でも1000円シリーズとしてCDが出ましたので、発売より50年後にようやく購入しました。LPに3曲ボートラが加わっています。







<ギターの聴きどころ>

冒頭のナレーションから会場の熱狂ぶりが伝わってきて期待が高まります。主役が登場、シャウトに合わせてDavid T.もコードやチョップなどのオブリでレスポンスし、本編がスタートします。
収録された曲は、1,3,4,5,7がハードなR&Bで、David T.のプレイは、R&Bではコードやリフのバッキング中心です。2,6,8,9,11はBluesのカバーで、特に2と6ではDAvid T.のギターが大フューチャーされており、トレブリーなサウンドで細かく3連で畳み掛けるフレーズとチョーキングを組み合わせたプレイなど、いい感じに弾きまくっており、Buddy GuyやHubert Sumlinの影響が感じられます。多少荒削りなところもありますが、勢いもテクニックも表現力も充分です。
10が唯一のバラードとなります。迫力あるシャウトと時に下品とも言える下ネタでの盛り上げがEtta Jamesのライブでの持ち味ですが、一方では、後年ヒットした”I'd Rather Go Blind”と同様、切ない女心を繊細な表現力で歌い上げるところも魅力です。この曲では、David T.のプレイは控えめです
まだまだユニークなプレイスタイルやサウンドの形成途上で、ところどころに片鱗を垣間見せるものの、David T.の「あの」プレイやサウンドを期待すると違和感があるかもしれません。私め、ブラインドテストされたらDavid T.と当てる自信がありません。ギターもこの頃はJazzmasterのようで、長年の愛機Byrdlandとは明らかにサウンドが異なります。
David T.のBluesアルバムは、"Swing Street Cafe"('81年、録音は'78年)、"Soul Food Cafe"('89年)、"Blues For Schuur"('97年)が代表的な作品かと思いますが、時代を経ることによるスタイルやサウンドの変化が見て取れ、興味深いところです。また、10のスロウ、今のDavid T.だったらどう弾くかなどと想像するのも楽しいのではないでしょうか?
なお、EttaはEddie "Cleanhead" Vinson とのジョイントライブもあり、Ettaの豪快な歌いっぷりはもちろんですが、ギターのSuggie Otis(Ettaを見出したJohnny Otisの息子)が味わい深いBluesギターを弾いています。こちらもぜひ聴いてください。




Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡
お酒のお供度♡♡♡♡♡
発展途上度🎸🎸🎸🎸🎸

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