Hank Crawford / We Got A Good Thing Going (1972) – Cornell Dupree

クリスマス便乗です。全体的に甘々ですが、8のDupreeのソロはイナたい!

 1. We Got A Good Thing Going
 2. Imagination
 3. Down To Earth
 4. The Christmas Song
 5. Alone Again (Naturally)
 6. I Don't Know
 7. I'm Just A Lucky So And So
 8. Winter Wonderland
 9. A Little Tear
10. Dirt Dobbler
11. Betcha By Golly Wow
12. This Is All I Ask
13. Jazz Bridge







今年も、クリスマスが近くなってまいりました。私自身は無宗教なので関係ないといえばないのですが、街が浮かれているのに便乗して、
弊ブログでもクリスマスソングが入っている盤を紹介したいと思います。
そんなわけで、Hank Crawfordの'72年の作品です。昨日のRon Carter同様、プロデュースはCreed Taylorで、Kuduからのリリースです。アレンジャーはBob James, Don Sebeskyです。(悪い予感・・・)
購入はつい数年前だったかと思いますが、新宿UnionのJazzフロアーで、なぜかHank Crawfordの新旧のCDが1000円以内の値段で叩き売られており、その中の1枚として入手しました。アナログはなかなかいい値段がついていて買えなかったのですが、このCDでは、ボートラも入っていました。(大好きな11もありました!)売り場付近は、オヤジたちが群がっていましたが(私もそのうちの一人ですが)、その隙を掻い潜って他のめぼしいCDとあわせて本作を手に取り、速攻でレジに向かいました。



 





<ギターの聴きどころ>

ギターは、DupreeとBensonです。インナーによれば、Dupreeは4,5,10,11に参加しているようです。Bensonは曲名が書かれていないのですが、その他の曲での参加と思います。
Michael Jacksonの1,悪い予感的中でイントロに流麗なストリングスが流れてきました。Don Sebesky様の仕業と思われますが、一気にムードミュージックと化してしまいます。しかし、主役はそんなアレンジとは無関係に我が道を行き、BensonもDupreeっぽい硬めの音でカッティングをした後、ソロに突入します。全体的に抑えめな一方、曲が進むとチョーキングを使ったり、いつもの弾きまくりフレーズを散りばめたりもしています。
2,3(9、12、13も)は完全にムードミュージックですが、主役のサクソフォーンは歌っています。ギターはほんのちょっとですね。
季節ものの3も同様です。流れるストリングスではなく、こういう曲でタメるdupreeのギターが聴きたかったのですが・・・・
5は当時のヒット曲を早速カバーしています。やはりストリングスが過剰に被されていますが、主役の乾いたサックスは悪くありません。Dupreeはワウでの控えめなカッティングです。
6でのBensonは9th、6th多用のBluesバッキングです。素直にBlues進行に行かないところがBenson先生ですね。ソロもピロピロリン早弾きを交えています。
Duke Elingtonの7、Richard Teeのエレピが美しく、サクソフォーンにも情感がこめられています。Benoson先生は空間とピロピロリンを使い分けたソロです。DupreeやGaleとは明らかにプレイスタイルが違います。
もう1曲の季節ものの8、華麗なストリングアレンジに対して、Dupreeのソロは3連を多用したイナたいソロです。少し力が入りすぎでしょうか?
10では、独特のタイム感でのカッティングです。エレピは盟友のTeeではなく、BJです。
大好きなStylisticsの11,オリジナルを意識しつつも独自の解釈でワウも交えたカッティングをしています。自分はChickenshackでこの曲を
知り、オリジナルへ遡った後、Grant Greenはじめ色々なバージョンを聴きましたが、元のメロデイが美しいのでどれもいい仕上がりです。
この盤でのムーディなHankのプレイ、土岐さんも強く影響を受けたのでは、と勝手に思ってしまいます。
甘すぎるストリングスが過剰に思えますが、どの曲もハズレなしです。
ジャケットの主役の顔は苦虫を噛み潰していますが・・・・

以下は想像です。


Creed Taylor(以下CT):Hank君、今回は手下のSebeskyのストリングスアレンジで甘々な作品にするよ。
Hank Crawford(以下HC):別に構わないよ。俺は自分のプレイをするだけだ。
CT:話題作りに売り出し中のBenson君も呼ぶよ。
HC:それは勘弁してくれ、あいつは無駄な音を弾きすぎる。目立ちたがり屋だし。GaleかDupreeがいい!
CT:じゃあDupreeは呼ぶよ。もう段取りしてるからよろしく!何しろ、私はCreed Taylor様だからな!
(スタジオで)
HC:Benson、くれぐれも弾きすぎるなよ!Dupreeみたいに弾け!
GB:わかりました。カッティングはチャカチャカ、でもソロはピロピロリン
Don Sebesky(以下DS):チャラ〜 ストリングス大被せ
HC:お前ら、やめろ!
GB:ピロピロピロピロリン、早弾きマシマシ
DS:チャララ〜〜ストリングスマシマシ
HC:だめだこりゃ!(いかりや長介風に)← この顔がジャケ写です。

フィクションです。
























Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡ 
Mellow度♡♡♡♡♡  ストリングスは砂糖まみれ、という感じですが
お酒のお供度♡♡♡♡♡

以下のギターはBensonです。

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