Herb Alpert / Midnight Sun (1992) – Larry Carlton

濃密で静寂な夜の世界です。

 1. Midnight Sun
 2. All The Things You Are
 3. Someone To Watch Over Me
 4. In The Wee Small Hours
 5. Friends
 6. A Taste Of Honey
 7. Mona Lisa
 8. I've Grown Accustomed To Her Face
 9. Silent Tears And Roses
10. Smile




 
Herb Alpertの'73年の作品です。"Beyond"に続く2度目の紹介となり、本作ではCarltonが参加しています。創設に参画し長らく在籍したA&Mからの最終リリース盤で、自身がプロデュース、Harvey Masonなどの実力派を集めてJazzのスタンダード曲をレコーディングしています。前年に亡くなった親友のStan Getzをフューチャーした5が特に話題になり、当時のJazz誌にも取り上げられていて本作を知り、Jazzのスタンダードなどは聞き齧り始めたばかりでM身に馴染んでいませんでしたがCarltonも参加しているとのことで、珍しく新品で購入しました。

<ギターの聴きどころ>

インナーにはクレジットがあり、ギターはCarltonに加えBarry Zweig, John Pisanoの名前があります。ただし個別曲の記載は前述の5のみ(ギターはJohn Pisano)のみで、どの曲に誰が参加しているかは分かりません。1枚通して聴いてみましたが、ドライブサウンドのロングトーンで艶っぽく歌うこれぞCarltonというフレーズがなく、本当に参加している?と思ってしまいました。(この時はまだCarltonの幻の1stやJazzの領域でのセッションワークを聴いておらず、CarltonのルーツであるJazzプレイがイメージできませんでした)しかし、ギター面での満足度は別として、小編成で空間が多い演奏であるにもかかわらず全編濃密な夜の雰囲気に溢れた内容が気に入り、結構深夜に一人で飲みながら聴いていました。(当時は会社の寮にぶち込まれていてプレイバシーがない生活だったのですが、こういう音楽をじっくり聴きたくて社命に反して夜逃げ同様に退寮したことをふと思い出しました。若い時から人付き合いが苦手でした。)
閑話休題、その後、Carltonのプレイを広く聴くにおよび(特に教則ビデオでのJazzハーモニーについての解説やLitenourとの共演盤など)、CarltonのJazzプレイ(スケールなどの音使いやピッキングの正確さなどではなく)の味わい深さを知るに至り、例えば1の中間に登場するひっそりとしたオブリや2での冒頭のプレイ、6でのスリリングなバッキング、8でのコードと単音織り交ぜたプレイ、9でのメロウなフレーズ(いずれも左)などはCarltonでは?と思い始めました。真相はネット上にもなく、未だに確信はありませんが同年リリースの"Kid Gloves"のジャケットにもL5が写っていましたし、この頃はL5使いだったようで、サウンド的にも合致しているように思いました。
とはいえ、最近はあまり深掘りをせず心地よい夜の世界に身を委ねながらグラスを傾けることにしています。(安い焼酎のお湯割りだったりするのですが)。
しかし、もう30年以上も前の作品なのですね・・・感慨深いです。今回も自分語りで申し訳ありません。
Emotional度♡♡♡
Bluesy度♡♡
Mellow度♡♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡♡
夜度🌃🌃🌃🌃🌃

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