Keb’ Mo’ / The Reflection (2011) – David T. Walker

Bluesの枠に捉われないサウンドにユニークな彩りを加えています。

 1. The Whole Enchilada
 2. Inside Outside
 3. All The Way
 4. The Reflection (I See Myself In You)
 5. Crush On You
 6. One Of These Nights
 7. My Baby's Tellin' Lies
 8. My Shadow
 9. We Don't Need It
10. Just Lookin'
11. Walk Through Fire
12. Something Within
 


 
Keb' Mo'の'11年の作品です。Robert JohnsonスタイルのBluesで’94年にデビュー(この時すでに40代です。)現代のCountry BluesmanとしてBluesファンの期待を集め、その後SoulやRockなどさまざまな要素を吸収しスタイルを変えて作品の発表を重ねてきました。デビューが鮮烈だったこともあって、その後の変化に対してコアなBluesファンからは批判があったようですが、数度にわたるグラミー賞の受賞など、自身の志向とセールス面での成功や世間の評価が一致しているものと思われ、どの作品も充実した内容となっています。本作は自身の演奏するギターなどBluesの香はかすかに残しつつもアダルトでオシャレな雰囲気に満ちており、その筋の一流ミュージシャンの招聘などもあり、AORやSoulにカテゴライズされる内容になっています。適度に荒れつつも艶のあるKeb' Mo'の声質とも以外にもマッチしています。(全体の雰囲気としてTerry CallierやWalter 'Wolfman' Washingtonに近い印象を受けました。アレンジやサウンドの傾向にはSteely Danっぽさも感じました。音楽に対する好奇心や探究心が旺盛で、ジャンルに捉われず気に入ったもの、やりたいもの全部やってしまう山岸さんのような人なのでしょう。)
本作は、ユニオンで立ち読みしていたBlues&Soul Recordsの101号で知りました。「今月の特選盤」に取り上げられており、David T.の参加と書かれているのを見て、立ち読みをやめ即座にCDコーナーに探しに行きました。(Bluesのコーナーにありました)。もちろん本誌もCDも購入しました。


<ギターの聴きどころ>

David T.は、1,3,4の3曲に参加しています。
1のイントロから、David T.のギターが入ってきます。1音でそれとわかる個性的なプレイです。その後、主役自身のスライドやWahサウンドなどギターが何本も重ねられるのですが、David T.はイントロのワンフレーズ以外は控えめなプレイです。
3のイントロでも、右から弾力感を感じさせるフレーズを入れてきます。その後も左の主役とオブリを分け合い、曲を盛り上げます。この曲のホーンアレンジ、Steely Danのようです。
4のイントロも、左の主役のギターとのコール&レスポンスです。ソロは主役に委ねていますが、後半には粘っこいフレーズをリピートし、Bluesyです。
この時期はカラザースのためかなり硬めのEMG特有のサウンドですが、タッチやピッキングのコントロールで甘さや艶も感じられ、紛れもないDavid T.のプレイです。ただ、4弦5弦ではあまりにもトレブリーすぎて個人的にはハムのサウンドの方が好みです。
その他の曲での主役のギターも朴訥ながら味わい深く、5や7のソロなど、逆にテクニックのある人には弾けないプレイのように感じます。枠に捉われず、常に良い音楽を作り続けているKeb'Mo'、現在も勢力的に活動しているようです。名前がかっこいいかどうかはともかくとして、ぜひ聴いてみてください。




Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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