Urbie Green / The Fox (1977) – Eric Gale
追悼:Creed Taylor
A1. Another Star 2. Goodbye 3. Mertensia 4. You Don't Know What Love Is B1. Manteca 2. Foxglove Suite 3. Please Send Me Someone To Love Creed Taylorの訃報を新聞で見ました。93歳とのこと、数々の名作(弊ブログでもプロデュース作品を取り上げさていただきました。)を世に送り出していただいた功績に感謝し、謹んでご冥福をお祈りいたします。 Creed TaylorプロデュースのUrbie Greenの'77年作品です。'50年代からBenny Goodman楽団への参加などキャリアを積み重ね、数枚のリーダー作と数多くのセッションに参加しています。本作はCTIでの1作目にあたり、David Matthewsがアレンジを担当、ジャケットに記載のメンバーのバックアップで録音されています。 Urbie Greenは名前も知らず、新宿UnionのJazz館でGaleの名前を見ての信用買いでした。トロンボーンは向井さんや福村さんを聴いた程度であまり縁がなかったのですが、500均セールの箱に入っていたところを発見しました。Galeの参加のみならず、Stevie WonderのA1や、Toots Thielemansの参加など、ワンコイン以上の内容があると期待し、レジに向かいました。 なお、本作のジャケットは渋い魅力がありますが、次作のSeñor Bluesのジャケットは表・裏とも巨大なハエ(ハチ?)でシュールです。(内容はBilly Preston,Peter Frampton,Stevie Wonderのカバーを含み、充実しています)
<ギターの聴きどころ>
GaleはA3,B2,B3に参加しています。 A3はフェイザーを咬ませたトレブリーなサウンドによるキレも重みもあるザクザクとしたカッティングで、主役とJoe Farrellのソプラノサックスをバックアップします。 B2は、イントロからGaleが大活躍で、左はカッティングとリフ、右はタメとツッコミのGale節でフレットの擦れる音まで聴こえるようなチョーキングとビブラートが大迫力です。左のカッティングはアタックの強さと音を切るタイミングをコントロールし、レガート感とザクザク感を巧みに組み合わせています。この曲でのToots Thielemansのハーモニカソロも美しいです。 BluesバラードのスタンダードのB3では、左の伸ばしたり刻んだりの変化をつけたフリーなコードプレイに加え、中間部のソロでは、マイナーペンタとメジャーペンタを自然に組み合わせつつ、チョーキングで歌い上げています。エンディングでは、ブリッジからテールピース間の部分をピッキングした遊びのフレーズも入れていて、お茶目な一面も見せています。内ジャケでは、メガネをかけて難しい顔をしているのに! Galeの強い個性はCTIやKuduの大事な要素になっており、独裁者の異名を持つCreed Taylorが長きに渡ってGaleを重用した理由が本作からも見える気がします。
Emotional度 | ♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |
リンク