大橋純子 / 黄昏 ~Postcard Fantasy~ (1982) – Robben Ford, Carlos Rios, Paul Jackson Jr.

お三方の引き出しの多さと大橋さんの歌唱力に脱帽です。

A1. ポストカード・ファンタジィ
 2. ヴェニスの女
 3. ベリッシマ
 4. Night Of The Lighted City
 5. Looking For Love ~シンデレラ・ナイト~


B1. Dancing Town
 2. 愛の踊り場
 3. シェリー
 4. 黄昏
 5. I'm Just A Woman



大橋純子さんの'82年の作品です。小学生の頃に「たそがれマイラブ」を聴いて、透き通った歌声(と小柄な体に関わらずの大声量!)が印象に残っていました。松木さんの参加盤や土屋昌己さん在籍の美乃屋セントラルステーションとの盤などの名作をリリースしてきましたが、本作は通算10枚目に当たり、L.A.で録音されています。プロデューサーはご主人となる佐藤健さん、アレンジはTomTom 84、 バックを務めるのもAbraham Laborie(B)Ndugu Leon Chancler(Ds)など、L.A.の錚々たるメンバーです。(インナーに写真入りで掲載されています。 )80年代前半、まだドラムもベースも打ち込みに変わる前で、ダイナミックスのあるサウンドが自分には心地良いです。ヴォーカルも達人のヒューマンな演奏に乗って時に激しく、時にしっとりと伸びやかに歌い上げています。
この盤もエサ箱漁りをしていて、豪華なメンバーに目が行き手に入れたものです。発売時は2500円以上したアルバムが1/10の値段で買えてしまうのは嬉しいのですが、中古盤での購入、アーティストの皆さんの収益につながらないこともなんとなく心苦しく感じるところでもあります(どの口が言うのだ!という感じで申し訳ありません)。本作はAmazonでも配信されていますが、配信やサブスクであればアーティストの収入に結びつくのでしょうか?

<ギターの聴きどころ>

ギターは、Robben Ford がメインで、Paul Jackson Jr. がB2,B3,B5に、Carlos Rios がA2のソロに参加しています。
A1は、ホーンが大々的にフューチャーされており、Robbenはカッティングに徹しています。イントロのキメがStreet Lifeっぽいです。
A2は曲の進行に合わせ、バッキングパターンを変えています。ソロはCarlos Riosとの記載ですが、2回あるうちの1回目はRobbenでは?(フレーズが「ギターに愛を」での歌い回しに似ている気がしました)
FunkyなA3でも高音弦のカッティングでリズムを刻みます。。Abeのベースソロが聴けます。エンディングが I Can't Turn You Looseっぽいのはご愛嬌でしょうか?
MellowなGroove感のあるA4ではミュートを効かせた単音カッティングが中心です。山岸さんがよく使うフレーズが頻出します。
コード進行がおしゃれなA5ではBossa Novaっぽいバッキングから、ピッキングタッチでニュアンスを作り、ロングトーンと畳み掛けるフレーズの組み合わせでよく歌うソロが見事です。Carltonと共通するようでまた違う個性を感じます。
B1はドライブサウンドでのバッキングですが、リフの主体はホーンで、さりげないプレイです。
B2のイントロは少しアウト感のある音使いのフレーズですが、曲にはまっていて違和感はありません。ソロもドライブサウンドでよく歌っています。
B3のアコギ・アルペジオ、 B5の2拍4拍・単音ミュートはPaul Jackson Jr. です。
使用ギターは、インナーに写っている通り、Robben(表の左下)とCarlos Rios(Robbenの隣のサウスポー) はストラト、Paul Jackson Jr.がレスポール(裏の左下)です。ハムバッキングでこのシャープなサウンドとは!(Ray Parker Jr.もですが)
Robbenのドライブソロは335ではないでしょうか?表中央のAbeの写真にクラウンインレイのヘッド写ってますし)
お三方のとも引き出しの多さに脱帽です。Robbenはこの後Bluesに回帰してしまいますが、たまには歌物でのこういうバッキングも聴かせてほしいところです。
Emotional度♡♡♡♡  
Bluesy度♡♡♡♡ チョーキングの色気はさすがです
Mellow度♡♡♡♡ 
酒のお供度♡♡♡♡

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