山岸潤史 / All the Same (1980)

Fusion全盛期のセカンドですが、持ち味発揮しています!

A1. More Corkscrew
 2. Mellow Syndicate
 3. Skin Game
 4. Cuttin' In
 

B1. Dear My Buddy (Keep On Movin')
 2. It's All The Same to Me
 3. Pop
 4. My Love


 
山岸さんの'80年のーダー作です。前年の"Really?!"に続くソロ2作目に当たります。日本でもフュージョンが盛り上がっていた時期で、前作同様に豪華なメンツを集めて録音されています。多くのJ-Fusionを世に出したInvitationレーベルからのリリースです。前作の濃ゆいジャケットとは異なり、緑の上でギター(345)を持ち上げるまだ痩せていた(失礼!)山岸さんの爽やかな?写真、この写真が象徴するように、曲調やサウンドも前作と比較するとソフィスティケイトされたような印象を待ちました。(あくまでも前作との比較で、本作でも弾きまくりの曲やBluesyな曲が含まれています)
本作も存在は知るものの。やはり廃盤・高値で、見かける頻度も少なくなかなか手に入れることができませんでしたが、96年頃に立川だったか国分寺だったか忘れてしまいまたが、珍屋で発見、相場よりもかなり安い2000円台だったので値切ることもせず速攻で購入しました。



<ギターの聴きどころ>

A1は、タイトル通りGuitar Workshop LiveでプレイされていたCorkScrewの続編で、イントロのアレンジなどが変わっていますが、テーマは一緒です。ライブではドライブサウンドでしたがこちらは軽くコンプをかけたようなナチュラルサウンドです。パーカッションの間奏に続き右からの前作も参加のGary Boyleとのソロの共演が始まります。クールなBoyleに対して、サウンドもディストーションサウンドに変わり負けてたまるかというように引き倒します。後半はバトルになり、お互いのプレイを無視してぶつかり合います。個人的にはこういうバトルはあまり好みではありませんが、当時は受けたのでしょうか?
トロピカルなムードを漂わせたA2、いい意味で雑食性の山岸さん、フュージョンということでいろんなジャンルにトライしたかったのでしょうか。あるいはレコード会社の意向で第二の高中さんを作りたかった?
A3もCasiopeaがやりそうなスケールの匂いを感じさせるテーマが山岸さんにはあってない気がしましたが、後半のJazzyでありながらタメとツッコミを効かせたソロが後年のChickenshackでのプレイを感じさせています。
A4、大好きなJohnny "Guitar" Watsonの古いナンバーをモダーンにアレンジしてカバーしています。オリジナルのお得意の指弾きパキパキギターに近いニュアンスでのピッキング(ピックを使っていると思われます)と、フレーズ回し、自らのヴォーカルがJohnny "Guitar" Watsonへの敬愛を感じさせます。山岸さんらしさに溢れた1曲と思います。ChickenshackⅦでもJohnyy "Guitar"に捧げる曲が収録されています
フェイザーのカッティングから始まるグルーヴィーなB1、Boogieと思われるドライブサウンドでロングトーンを活かしたテーマでハモリも入ります。テーマ部は少し平坦に感じましたが、ソロになると例の如く弾きまくりです。自分には少し歪みが強すぎます。
タイトル曲のB2、艶のあるナチュラルトーンでBluesyにテーマを奏で、やはり後半にはドライブサウンドで激情のソロに突入します。
タイトルに反してキメの多いテクニカルなB3、ここでも後半のソロはアームも駆使したハードロック的な激しいプレイです。この曲はストラトでしょうか?
神崎さん作の感動的なラストのB1は何と曲を通してアコギ(当時大流行したOvation)でのプレイです。エレクトリックと変わらぬタメの効いた泣きのプレイですが、チョーキングのしずらさが切なさを高めています。この頃から”エロティック”なプレイが完成しています。
一部の曲で違和感を感じたのは過渡期で、色々な要素を詰め込んだからでしょう。後年のChickenshackや、My Pleasureなど80年代後期〜90年代の3枚のソロ、バンプレを先に聴いたので荒削りに感じたのかもしれません。
なお、山岸さんは、その時々で頻繁にメインギターを変える方ですが、この作品で使用したES345と'61年のストラトはその後もずっと愛用しているようで、よほどのお気に入りなのだと思います。

Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡    
お酒のお供度♡♡♡♡ 

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