George Benson / Give Me The Night (1980) -Lee Ritenour
先人のプレイを吸収した(パクった?)多彩なバッキングです。
A1. Love X Love 2. Off Broadway 3. Moody's Mood 4. Give Me The Night B1. What's On Your Mind 2. Dinorah, Dinorah 3. Love Dance 4. Star Of A Story (X) 5. Midnight Love Affair 6. Turn Out The Lamplight George Bensonの'80年の作品です。前年のMichael Jacksonの"Off The Wall"で波に乗るヒットの魔術師Quincy Jonesがプロデュースを担当し、以下の要素で作り上げました。 ①大半の曲を参謀格のRod Tempertonが準備。 ②Jazz,Soulをまたいで活躍する超一流どころをバックミュージシャンとして投入。 ③主役のBensonのギターもヴォーカルもいいところを濃密に抽出しバランスよく配分。 ④その上で流行りのディスコ風味やアダルト風味などヒット要素をまぶしトータルコーディネート。 さすがは御大Quincy、その効果は遺憾なく発揮され、本作は世界で150万枚以上のセールスを記録し、グラミー賞で3部門を受賞するなど大成功を収め、”Breezin'”以降Jazz界を飛び出し脚光を浴びたBensonを押しも押されもせぬポップスターに引き上げました。(ただし、コアなジャズファンからは非難の嵐だったようです)。 さすがは大ヒット作、日本でも相当数が出たせいか、CD普及後はエサ箱の常連で私も’90年の頭に日本盤の中古を300円で入手しました。私めもBensonの数ある作品の中でも特にお気に入りの1枚です。
<ギターの聴きどころ>
主役のBensonのギターはいつも通りです(これまでの弾き過ぎを程よく抑えた曲もあり、私の好みではいい感じです) サイドギターは、これまでGaleやUpchurchなどの個性派かつ実力派を起用してきましたが、本作では意外にもRitenourでクレジットによればA2,A4,B1,B3,B4,B5に参加しています。 A2はディスコ調のリズムに乗って弾きまくり&スキャットしまくりのBensonに被らないことを意識したのか、Wahも駆使したサウンドでのシングルノートとコードのカッティングです。はWah Wah WatsonとRay Parkerからの影響大です。(パクリとも言う) 大ヒットのギミザナイッではフェイザー+コンプのポコポコサウンドでリフやシングルミュートを決めています。これはGaleからインスパイアされたプレイとサウンドでは?1億倍くらい軽いですが。 なんとなくメロウなB1では、ポコポコミュートにアルペジオやオブリなどを絡め、多彩なサウンドとプレイを聴かせ、器用さを発揮しています。 B3では、もう一つの得意技であるガットプレイです。Bensonの弟子のEarl Klughではなく当時人気急上昇中のRitenourに弾かせたのはQuincyの意向でしょうか? B4はリズムアレンジにもRitenourが参画しています。カッティングがAl Mckayっぽい?Bensonは表記ないですがガットでしょうか? B5では主役と左右入れ替わって右からポコポコプレイやオブリを聴かせます。ユニゾンチョーキングはRay Parkerっぽいです。 全体的に主役のギターと被らないようにしながら、さりげない自己主張も忘れないようなあざといプレイです。先輩達のプレイを学んで(盗んで?)しっかりアク抜きをして自分のサウンドにしています。 以下はスタジオでの二人の会話の妄想です。 GB:君が今売り出し中のRitenour君か?変に個性を出さずとにかくスターの俺さまの歌とギターを引き立ててくれよ! LR:分かりました。(A2を弾く) GB:なんかWWやRPっぽさがあるけど? LR:いえ、あんなに変態サウンドではありません。(あの人たちが合コン三昧の時にエッセンスを盗んで上品に仕上げたのさ!) GB:まあ、程よく薄めで俺より目立たなくていいね! LR:ありがとうございます。(A4を弾く) GB:Galeさんっぽいけど? LR:いえ、あんなにクセが強くありません。あの人は東、僕は西ですし!("Sugarloaf Exepress"でいただいてなめらかさを加えたのさ) GB:そうだよね、あの人頑固だし(関係ないけど)。 LR:ところで、B6のレコーディング見学させてもらっていいですか?名プレイを聴きたいので! GB:君わかってるね!もちろんいいよ! (1年後 "Rit"の「Dreamwalkin'」を聴いて) GB:あいつ、俺のサウンドもパクりやがったな!可愛い顔してとんだ喰わせモンだな! 更に余談(妄想)です。 QJ:ジャケ写を撮るからこれを着ろ! GB:ええっ、Vネックのセーター? ダサくないですか?ダブルのスーツがいいんすけど? QJ:いやいや、これからこれが流行るんだよ。ヒットの魔術師の私に任せなさい。海の向こうの日本でもKOやアオガクの学生がこれを着てギミザナイッで踊りながらディスコでナンパするよ。 GB:ホントっすか?不適切にもほどがありますね! QJ:なにしろ昭和だからね〜。 (私の偏見と妄想です。すみません)
Emotional度 | ♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |
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