Grover Washington Jr. / A Secret Place (1976) – Eric Gale

バッキングにソロに右から左からGale大活躍です。

A1. A Secret Place
 2. Dolphin Dance


B1. Not Yet
 2. Love Makes It Better





Grover Washington Jr.の'76年作品です、Kuduでの最終作となります。Creed Taylorプロデュースで、David Matthewsアレンジの楽曲を裏ジャケに記載の豪華なメンバーがバックアップしています。CTIやKUDUの作品、主役はもちろんバックも達人を集めるため、ソロ回しなどで1曲が長くなり、収録曲が少なくなる傾向があり、本作も各面2曲、計4曲しかありません。しかし捨て曲なく『オレ様』BJ(Bob James)のホーンやストリングスによる大袈裟なアレンジがない分、各プレイヤーの演奏が前面に出て、どの曲も密度の濃い仕上がりになっています。
本作もGaleの参加もあって'00年代の終わり頃購入しました。Jazz FunkやAcid Jazzのブームが去り(あるいはCDで復刻されたため?)、DJ(BJではないですよ)の皆さんに酷使されたのか小傷や指紋ベタベタの盤・書き込みのあるジャケットや内袋の汚れなども多いこの手のレコードがエサ箱に溢れており、その中から救出した1枚です。自作のクリーニング液とビスコ(クリーニングクロスです。お菓子じゃない方)でキレイに清掃した上で聴くと、ノイズが減って見違えるように音がクリアになります。

<ギターの聴きどころ>

GaleはA2以外に参加しています。
怪しげなムードを持つA1,左のシングルトーンでリフを刻んでいるかと思ったら、センターに入る粘っこいフレーズに度肝を抜かれます。(心臓の悪い方は音量を抑えて聴いてください)続いて、右からもコードプレイが入り、テーマでは左右でひとりコンビネーションバッキングを行なっています。(左右で奏法やリズムが異なります)3本重ねているということになります。
B1、イントロでシングルトーンバッキングで入り、テーマ部分ではおとなしくしていますが、続くソロではためとツッコミのGale節が全開で、Freddie Kingに引けを取らない絞り上げるようなチョーキングビブラートや、トレモロ奏法、トリルなど必殺技を惜しげもなく繰り出します。
いつの間にか、自分のソロのバックでもコードバッキングを重ね初め、主役のソロに移ると、左右からバッキングを重ねます。ここでも左右で奏法やリズムが入れ替わります。
爽やかさも感じさせるB2、イントロの個性的なフレーズもなぜか違和感なくハマっています。テーマに入ると左からのカッティングに移り、中間部と後半の2度のソロでも大きいフレーズで歌い上げています。
本作では、ソロ(美しきワンパターンです)に、バッキング(多彩なフレーズを駆使しています)に大活躍で、これからGaleを聴く方にもおすすめしたい1枚です。なお、同年に発売されているBenson先生とのプレイのような険悪なムードは感じられないので、小心者の私でも安心して?聴けました。
HancockのカバーのA2では、Steve Khanが控えめなプレイでサポートしていますが、他の曲でのGaleの強烈な個性と比較するとギター面では霞んでしまいますねえ。




Emotional度♡♡♡♡  
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡  
酒のお供度♡♡♡♡ 

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