Bob James / The Genie (1983) – Eric Gale

短いソロですが、深くメロウな泣き節です。

A1. Brooklyn Heights Boogie
 2. The Genie
 3. Last Chance
 4. Ballade
 5. Groove For Julie

 
B1. Hello Nardo
 2. The Marilu
 3. New York Mellow
 4. Night Moods
 5. Angela (Theme From "Taxi")
 


 
Bob Jamesの'83年の作品です。Themes & Variations From The TV Series "Taxi"というサブタイトルがついており、
"Touchdown"に収録されたTVドラマ"Taxi"のテーマ曲のB5から5年の歳月を経て、イメージを膨らませていった書き下ろし作品のようです。時代を反映したためか、軽妙な曲が多く、いつもの重厚なアレンジは抑えられている印象を受けました。曲も長くないものがほとんどで、その分曲数は増えています。数字を捩った一連の作品群には含まれておらず、曲も比較的短いものが多く企画盤的位置付けなのかもしれませんが、そこはBJ、いつもの豪華なメンバーを集めて録音されています。
本作も他のBJ作品同様、ユニオンのFusion安箱からの救出です。ジャケ写のBJのドヤ顔にやや辟易しつつも、裏ジャケにGaleの名前を発見して購入しました。(邦題はB3同様の「N.Y.メロウ」だったようです。しかし、この裏ジャケもN.Y.をタクシーの車内から眺めているおよそメロウとは縁遠いデザインです)




<ギターの聴きどころ>

ギターはGaleとSteve Khanがクレジットされていますが、B3を除いてはGaleと思います。
カリンバ風のイントロからタイトなGrooveに移行するA1,シンセの重ねの合間を縫ってGaleが切り込んできます。チョーキングやトレモロピッキングを盛り込んだいつものGale節です。
A2、A3では左からのカッティングです。いつものザクザク感がやや薄い気がしますが、音の切り方はGaleです。
スロウのA4は、小音量でのシングルトーンのバッキングとカッティングで、ところどころクオーターチョーキングによるロングトーンを入れています。
ややハネシャッフルのA5もカッティングです。やはり音の切り方がGaleっぽい気がします。
メロウなエレピからラテン調に転ずるB1、この曲でもタメやツッコミを交えながらもリズムに乗ったオブリが入ります。ミュートとミュートを外したプレイの使い分けが絶妙です。
哀愁漂うミディアムスロウのB2、シンプルながら独特のGrooveのあるカッティングに続いて、低音から高音部まで駆使したソロが続きます。短いソロですが密度の濃い泣き節です。One & Onlyなプレイとサウンドです。
B3でのアコギはSteve Khanでしょうか?
B4での表情のあるバッキングもGaleです。かなりフリーなプレイです。好きに弾いてくれと言われているのでしょうか。
再録のB5,味わいのあるバッキングに続いて、極く短いソロがありますが本チャンでのプレイと比べると随分と淡白です。
全編を通してGaleのクセの強いサウンド・プレイがライトな曲調に溶け込んでいて、不自然な感じはありません。もちろん後年のFourplay(特にRitenour期の透明感)とは全く傾向が異なりますが、独特のメロウ感があります。ちょっと恥ずかしい邦題、決して誇張ではありませんでした。



Emotional度♡♡♡♡ Galeのソロ、いつも通り深いEmotionです。
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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