Hank Crawford / Help Me Make It Through The Night (1972) – Cornell Dupree, Eric Gale

ストリングス不要に一票!。

A1. Help Me Make It Through The Night
 2. Brian's Song
 3. Uncle Funky
 4. In The Wee Small Hours Of The Morning

B1. Go Away Little Girl
 2. Imagine
 3. Ham
 4. The Sun Died
 


 
Hank Crawford '72年の作品です。弊ブログにはGale,Dupreeとの共演者として何度も取り上げさせていただいております。本作はKudu移籍後の1枚目で、Purdie、Ron Carter、Teeなどのいつものメンバーと黒い演奏を聴かせてくれています。CTIファミリーのためか、あるいは時代のせいか、豪華なストリングスも加わっていますが、クルセとRoyalFillほどはハマっていない気がします。ストリングスが浮いている感じと、全体の濃さが薄まった(イージーリスニング寄りになった)感じがして、個人的にはむしろ不要だったのではと思ってしまいます。
本作は、90年代の後半に無理してLPを買ったのですが(アシッドジャズ、ソウルジャズ、レアグルーブなどと言われてこの手のLPの値段が跳ね上がっていました!)、傷も多かったため、最近(といっても5年ぐらい経つ?)CD再発盤の中古を1000円ぐらいで買い足しました。

<ギターの聴きどころ>

DupreeはB3以外、GaleはB3に参加しています。
A1,Dupreeのカッティングで曲が始まります。この時期のパキパキの音ではなく、主役のテーマに続いてソロが入ります。合間にコードの刻みを入れる独特なスタイルで、フィンガーボード上を左手が滑るようなタメの効いたフレーズを連発します。
ストリングス、ハープ(BluesHarpではなく、竪琴の方です)のゴージャスなイントロで始まるA2,一歩間違うとムード音楽ですが、そこは流石のCrawford,黒さとイナタさを失っておりません。でも、Dupreeはどこに?スタジオの外でパイプでタバコ吸ってた?(想像です)
A3は、一服から帰ってきた?Dupreeが本領発揮でBluesyなイントロからスタートします。最初のワンフレーズ聴いただけで痺れる色っぽさです。主役のテーマに移っても、9tを基調としたバッキングで盛り立てます。途中からストリングスが入ってきますが、そんなことはお構いなしにタメとツッコミを織り交ぜたDupree節を貫きます。この曲?タイトル?はよほど気に入っているようで、自身のライブ盤のタイトルにしています。
ヴィブラフォンが印象的なA4、Teeのオルガンにバッキングを任せてDupreeはまたタバコを吸いに出ていった様です。(想像です)
B1は、元々はCarole Kingの作でMarlena Shawも歌っています、Dupreeは たっぷりタメつつも流れるような甘いオブリとソロで酔わせます。ストリングスより全然甘いと思うのですがいかがでしょうか?
続くB2はJohn Lennonのカバーです。Crawford、結構最新ヒット曲をカバーします。Dupreeはまた一服かと思ったら、地味に2拍4拍を打っていました。
B3だけGaleはじめ、違うメンツです。Galeのリズムギターの硬さ!トレブル10、ベース0でしょうか?Dupreeは参加できなかったことがよほど悔しかったのか、晩年の最終作(Doin' Arlright)でこの曲を取り上げています。大恩あるGale先輩には逆らえず、仲間に入れてもらえなかったことを死の直前まで根に持ってたのでしょうか?(邪推です)
Ray CharlesのB4も、ストリングス、ヴィブラフォンでムードを盛り上げますが、Dupree薄いです。
アレンジのDon Sebeskyさん、ちょっと売れ線狙いすぎ!!KUDUさ=クドさ薄めです。個々のプレイヤーの演奏良いのに残念!




Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡  ストリングスがむしろ甘さを薄めていませんか?   
お酒のお供度♡♡♡♡

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