Stuff – Live In New York (1980) – Eric Gale, Cornell Dupree

6人のメンバー勢揃い+αの熟練ライブです。

A1. Sometimes Bubba Gets Down
 2. You Make It Easy
 3. You're A Great Girl
 4. Shuffle

 
B1. Love The Stuff - Ain't No Mountain High Enough
 2. Duck Soup
 3. The Real McCoy
 


 
Stuffの'80年の作品です。結成の地であるホームグラウンドのN.Y.のクラブ 「Mikkel's」での演奏を収録したライブ盤です。既紹介の日本でのライブではChris Parkerが不参加でしたが、本作では6人のメンバーが全員揃っています。(それどころか、少なくとも8人分のパートが入っています。後述します。)
この頃はバンドとしての活動も円熟期に入っており、本拠地でのリラックスした雰囲気の中、パッケージショウとは異なる即興性の高いライブを行なっていたと思われ、A1を除く6曲はスタジオ盤未収録の初お披露目です。
本作もユニオンのFusion安箱から90年代の頭に入手しました。DupreeとTeeのソロ作は1000円以上するものもありましたが、CD復刻とFusion低迷の恩恵で、Stuff本体とほとんどのGaleの作品はワンコイン以内でした。



<ギターの聴きどころ>

針を下ろすと、常連と思われる観客の拍手と歓声がまず聴こえてきます。続いてゴスペルフィーリングに溢れたTeeのピアノから演奏が始まります。スタジオ盤より若干テンポをあげていて、ノリがいいように感じられます。左がDupreeで、コードバッキング、オブリ、キメと自在にそして滑らかにプレイします。一方、右のGaleは小音量での控えめなシングルミュートです。と思ったらキメの後、Galeのソロが入ります。エフェクト(フランジャー?)の強いサウンドで、スチールドラムかと思いましたが、絞り上げるようなチョーキングやビブラートがフレーズに織り込まれており、間違いなくGaleのプレイです。
続くA2では、Dupreeの「焦らし」オブリからソロに入りますが、なんとソロのバックでもオブリを入れています。いくらDupreeが名人でも同時に弾くのは無理でしょう・・・あるいはRoland Kirkのご指導の元、一人いっぺん弾きをマスターしたのでしょうか?続いて、Galeのひっかかりソロに突入しますが、Galeも引き続きシングルノートバッキングやカッティングを同時にこなしています。明らかにアフレコで重ねてます・・・・
スリリングなキメが印象的なA3、ここでもGaleのソロと同時にバッキングも聞こえます。
タイトル通りのシャッフル、二人のギタリストもバンドもBluesが染み付いていることがはっきりわかる曲です。最初のソロはDupreeで、指板にオリーブオイルでも塗ったかのような滑らかさを感じさせつつ、二回り目以降は、強いピッキングや繰り返しフレーズ、1音半チョーキングなどいつにない熱さも感じさせます。続くGaleは、弦の太さと強いピッキングがぶつかり合いバキバキの箱鳴りが聞こえそうなプレイです。当時のFusionブームの中では、おしゃれイメージを阻害する内容としてスタジオ盤には収録できなかったのでしょう。
B面1発目は”Love the one you’re with”とAshford & Simpsonのカバーメドレーです。アップテンポでの一人一人の熱い演奏が一体化し、ものすごいエネルギーとGrooveを感じます。エンディングの我が道を突き進むかのようなGaleのソロが男前です。
B2はのちにDupreeがソロライブにも収録したミディアムFunkで、Dupreeの独壇場です。リアルタイムでも本当にフェイドアウトで終わったのでしょうか?
前年に亡くなったVan McCoyに捧げられたラストのB3、珍しくGaleがテーマを取ります(テーマの担当は多くの曲でDupreeです。)その後、テーマに被せてGaleのソロが続きます。Vanとの関係の深さはGaleが強かったのでしょうか?ソロはありませんがDupreeの緩急のあるバッキングも見事です。
いくつかの曲でGaleとDupreeのギターを明らかに追加で被せています。臨場感を楽しむべきライブでここまでの編集が必要であったかは疑問が残りますが、音楽としての完成度は高まっています。「技」も「歌心」も楽しめる熟練のライブ、ぜひ聴いてください。




Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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