Teddy Pendergrass / TP (1980) – Eric Gale

シャウターと個性的なギタリストによるセクシーな1枚です。

A1. Is It Still Good To Ya
 2. Take Me In Your Arms Tonight
 3. I Just Called To Say
 4. Can't We Try

 
B1. Feel The Fire
 2. Girl You Know
 3. Love T.K.O.
 4. Let Me Love You


 
Teddy Pendergrassの'80年の作品です。ソロとしては、前年の"Teddy"に続く5枚目に当たります。本作は、フィリーを代表する制作チームであるGamble & Huffが関わっていないことが大きな特徴で、Ashford & Simpsonなどをプロデューサーに起用し、また自身もプロデュースに参画しています。デュエットの相方にStephanie Millsを迎え、バックも従前のメンバーに加えてN.Y.のトップセッションミュージシャンを招いてレコーディングされています。しかし、セクシーなスロウ、迫力のあるアップなど強烈な個性で自身の色に染め上げており、今までの作品との大きな違いはなく、当時、随一のセックスシンボルとして人気絶頂だっただけあって、濃密な情愛の世界が展開されています。
これも上京直後に一連の作品を集める中の一枚でした。これは当時渋谷にしかなかったTowerで新品(赤シールだったので)買いました。所属していたサークルの先輩や同級生等からは不評でしたがめげずに聴き、今でも聴き続けています。(ただし夜に)


<ギターの聴きどころ>

特に参加ミュージシャンを意識することなく購入したので、インナーのクレジットのA1とB2にGaleの名前を見つけて嬉しくなりました。
ミディアムスロウのA1では左右でギターを重ねてはいますが決して出過ぎることはなく、コードの合間にハーモニクス音やヴァイオリン奏法を混じえたり、ダブルストップのスライドを差し入れたりとゴージャスなアレンジの一端を担っています。
一方、アップのB3ではエフェクトを効かせたサウンドで特徴的なイントロのリフをプレイし、ヴォーカルが入ってもその流れでオブリをかましたり、重みもキレもあるカッティングを左右から聴かせたりと、フリーなバッキングでGrooveを作っています。この2曲のプロデュースを担当するAshford & Simpsonの引きでの参加と思われますが、大正解の起用と思います。
本作は、Galeの参加だけではなく、B1とB3でのCecil Womack(と思います)のプレイにも注目(注耳?)してください。
Peabo Bryson作の美メロスロウのB1,音数少ないながら効果的に盛り上げるイントロからすでにメロウで、Stephanie Millsの少し甘えたようなヴォーカルと抑えめに入るTeddyを包むように寄り添います。抑揚のあるバッキングのDennis Harrisとのコンビもバッチリです。なお、この曲は作者であるPeaboのバージョンもいい感じです。Human Soulのカバーも!
作曲も担当しているB3、ここでも必要以上に弾かないプレイですが、哀愁ミディアムを盛り立てる味わい深いプレイです。タイプは違いますが松木さんと近いセンスを感じます。なお、ChickenshackのカバーではWornell Jonesが太い喉を聴かせてくれています。
ないものねだりながら、この2曲はDavid T.のプレイで聴いてみたいという思いが聴くたびに湧き上がります。
その他の曲でも、決して派手なプレイではありませんがTeddyのヴォーカルを盛り立てるギターが聴ける名盤です。

弊ブログは基本的にはギタリストがメインですが、すでにご紹介している通り、David RuffinL.J.ReynoldsMarvin Jr.(The Dells)Joe Cockerなど熱さも表現力もあるシャウターが私の大好物で、One & Onlyの個性的なギタリストとの組み合わせによるシナジーはなんとも言えない醍醐味です。


Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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