Robben Ford / Bringing It Back Home (2013)
弾きまくりではありませんが、歌心と表現力に溢れています。
1. Everything I Do Gonna Be Funky 2. Birds Nest Bound 3. Fair Child 4. Oh, Virginia 5. Slick Capers Blues 6. On That Morning 7. Traveler's Waltz 8. Most Likely You Go Your Way And I'll Go Mine 9. Trick Bag 10. Fool's Paradise Robben Fordの'13年の作品です。fusion系のセッションギタリストとして名を馳せ、88年の"Talk to Your Daughter"でルーツのBluesに回帰、その後は自身のバンドBluelineや個人名義でアルバムのリリースやライブツアーなどBluesを主体とした活動ストイックに行なっています。本作はAllen ToussaintやEarl Kingなどのカバー曲を主体に構成され、Harvey Masonなどの腕利きを集め、ライブ感覚でほぼ一発録りでレコーディングされています。Robben自身が長らく愛聴してきた曲をセレクトしたのかと思いきや、バンドと一体となってこれまでとは違う世界を作るためこのアルバムのために新たに選曲したとのことで、演奏の方も原曲のイメージを活かしつつも独自のアレンジが施されています。 私めもファンの一人として、90年代以降の作品もソロ・Blueline・Carltonとのジョイント作などほぼ聴いておりますが、個人的な感想としてはギターのサウンドや曲調がRock色が強いように思われ、自分の好みとは少し離れておりました。 一方、本作ではジャケットのRiviera(しかも珍しいストップテールピース!)、1や9の収録、もしかしてRock色は薄いのではと期待して購入しました。
<ギターの聴きどころ>
Allen Toussaintの1からスタートです。私は”Coolin’ ‘N Groovin’”でのLou Donaldsonではじめて聴いた曲ですが、「俺の演るものみんなファンキー」、その通りかどうかはわかりませんがRobbenのハイトーンの若々しいヴォーカルがいい感じです。そしてギターが歪んでない!嬉しい!流れるようなフレーズはRobbenならではです。 2、チョ待てよ!(By キムタク)俺も五十路を過ぎて過ぎてそれなりのBluesファンだぜ!と勝手に自負してましたが、Charly Pattonのこの曲はすぐに思い出せませんでした。原曲と比較するとジリパチがない!しかしパチパチの弾けるようなピッキング!さすが! 3もトーサンの曲で、ヴォーカルとギターの一人コール&レスポンスにボントロも絡んで父さん感激です。 アメリカのトラディショナル4、ピッキングの強弱でドライブがコントロールされたサウンドがお見事!ソロデビューアルバムの”ギターに愛を”に入っていても違和感なしです。35年の時間の経過を感じさせない一貫したギタースタイルです。 5、チョ待てよ!(しつこくてすみません・・・)これも黎明期のBluesのようです。知りませんでした。私、まだまだ青二才でした。 6もトラディショナルとの記載です。原曲は知りませんし、Siriに訊いてもSiriませんでした。オクターブ奏法もタメた指弾きと思わせるソロめろうですも。オルガンサウンドも含めて21世紀も10年以上経っているのにこのサウンドとは! 奥方とNichael Mcdonaldの書いた7、そこはかとない哀感が一際メロウです。ギターも短いソロでバッキング主体ですがメロウです。 Bob Dylanの8,これも原曲が思い出せませんでしたが、それもそのはず、聞いたことがないので!そしてまだ聞いてません。このアルバムの中では曲調もギタープレイもちょっと浮いた感じに聞こえました。 イントロが印象的な9.本家の緩い感じともJohnny Winterのヤクザな感じとも違う緊張感が漂います。ドラムとベースの仕業でしょうか?程よいドライブがかかったソロも熱いです。 ラストの10,Charles Brownで聴いていました。原曲のギターもなかなかにメロウでしたが、このバーションでの後半の表現力は本当に素晴らしいです。 他の作品のように弾きまくりというわけではなく、ツボを押さえたプレイはどの曲も歌心に溢れています。Blues Rock好きの方からは地味との評判もありますが、Robbenの表情豊かなプレイを味わうには絶好の盤だと思っております。
Emotional度 | ♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡♡ |
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