Donna Washington / For The Sake Of Love (1980) - David T. Walker
硬めのサウンドのDavid T. とMelvin” Wah Less” Ragin のプレイ
A1. First Things First 2. Coming In For A Landing 3. I'll Let Nothing Separate Us 4. Innocent B1. Didn't You Know 2. Much More Than Friends 3. If You Leave Me Now 4. For The Sake Of Love Donna Washingtonの'80年の作品です。ネット上にもあまり情報がないのですが、Gospelをルーツに持つSoul SingerとのことでCapitalから3枚のアルバムをリリースしており、本作がデビュー盤となります。 これも裏ジャケ買いで、'00年ごろ新宿UnionのBlues Soul館で、DellsやDramaticsのレコードを探している時たまたま手に取り、裏ジャケのクレジットにDavid T.の名前を発見、他のミュージシャンもL.A.の一流どころだったので、値段に迷いつつも(3000円ぐらいだったと思います)、給料日後だったこともあって購入しました。
<ギターの聴きどころ>
ギターはDavid T.とMelvin Wah Wah Ragin(Wah Wah Watson,ニックネームと本名が入り混じってます)と書かれています。 早速針を下ろします。ブレイクの多い大袈裟なリズムで、ハンドクラップに続いてDavid T.のしなやかで弾むようなシングルトーンのリフが入ってきます。所々、ダブルストップなどのオブリを挟みつつ、フリーなプレイでDonnaのダイナミクスのあるヴォーカルに絡みます。後半に入るとさらに盛り上がり、リズムの間を縦横無尽に縫うようにフレーズを突っ込んでいます。サウンドもピッキングの強弱でアタックの強いパーカッシブな音色から、優しく弾くことでの甘い音色を使い分けています。 A2は、右のシングルノートミュートからオクターブカッティングに移行するプレイですが、サウンドやフレーズからDavid T.ではないと思います。ということはWah Wah Watsonかと思いますが、珍しくWahがなく、若干のフェイザー感はあるもののノーマルなサウンドです。 A3もダンスチューンで、左右でコンビネーションバッキングです。これもDavid T.ではなく、Watsonと思いますが、左からいつもの効果音的なスライドフレーズあるものの、サウンド的にはエフェクトが薄くノーマルで意外です。 ミディアムスロウのA4,Donnaの呻きに続いて、David T.の粘っこいフレーズが入ってきます。その後もヴォーカルに寄り添うように緩急のあるオブリを返しています。プレイはいつも通りですがサウンドが若干硬め,薄めに感じます。(Ray Parkerほどではありませんがペケペケ感を感じます) Discoビートで始まるB1、ダブルストップのスライド繰り返しのオブリ以外は隠れてしまいますが、後半また姿を現し、パーカッシブなシングルプレイや1弦+4弦のオクターブ+3弦チョーキング(Buddy Guyもよく使う技です) B2もMellowな雰囲気です。冒頭右に入るフェイズかコーラスサウンドはDavid T.ではないでしょう。1分近くのあたりで一瞬左から微かにDavid T.ぽいサウンドが入りますが、その後聴こえず空耳かもしれません。 スロウのB3,知りませんでしたがChicago(Bluesではありません。バンドのようです)の曲みたいですね。後半に右から入るオブリがDavid T.のようです。 タイトル曲のラストB4もスロウで、音量は大きくありませんが、右から絶妙なオブリを入れ続けて曲を盛り上げています。 なお、David T.は、次作の"Going For The Glow"にも2曲参加しています。 それはさておき、本作、Wahを使わないWah Wah Watsonのプレイが聴けて貴重です。どういうコトでしょうか? 以下は、スタジオ内の状況に関する私の妄想です。(W:Wah Wah Watson、D:David T. M:Mixing Engineer) W:やべえ、昨日Ray Parker Jr.の合コンに呼ばれて可愛い子ばっかりで飲みすぎちゃった。Wah忘れたけど家に取りに行く時間がないな!デビさん、今日持ってきてないですか? D:ワシはもうWahは使わないね!左手と右手の組み合わせでおなじ効果出せるから!強くひいてワ、弱く弾いてウだよ!!ワシも今日のスタジオのアンプは硬い音しか出なくてクソだったけど、なんとかやり切ったよ。ワシはシールド一本で勝負だよ!機械に頼っちゃだめだよWatsonくん!!(そんなにオイシイ合コンに、どうしてワシを誘わん!本当はWah持ってきたけど貸してやらんぞ!) W:わかりましたよ。もう頼みません!エフェクトなしで頑張ります!(デビさん、頭も薄くなってきたかと思ったけど、シャーロックホームズ気取りで説教とは、オッサンかよ・・) W:(ミキシングエンジニアに)Wahない?後掛けしといて!なければ、ありものでいいのでエフェクトかけといて!生音だとパンツも履かずスッポンポンみたいで恥ずかしい(By 吾妻光良師匠)ので! M:Watsonさん、すみません、最近Wah需要ないんでスタジオに置いてないんですよね!今流行りのRitenourさん風にコンプ+フェイズかけときますね。 W:頼むよ!それから俺のプレイに聴こえないけど、プロデューサーにはちゃんとクレジットに名前載せとくように言っといてくれ。ギャラもな!(昨日300ドルも使っちゃったからなあ) M:わかりました!任せてください。 (後で)でも、あの人の名前なんだっけ?たしか変な名前だったよな?Wah Wah? Melvin Ragin? 適当に書いとけばいいか! ※ということで裏ジャケ(Melvin Wah Wah Ragin)になりました。 ※フィクションです。
Emotional度 | ♡♡♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡ |
酒のお供度 | ♡♡♡♡ |