Bobby Womack / The Poet II (1984) – David T. Walker

熱唱を更に盛り上げるメロウなプレイです。

A1. Love Has Finally Come At Last
 2. It Takes A Lot Of Strength To Say Goodbye
 3. Through The Eyes Of A Child
 4. Surprise Surprise
 5. Tryin' To Get Over You

 
B1. Tell Me Why
 2. Who's Foolin' Who
 3. I Wish I Had Someone To Come Home To
 4. American Dream
 
 


 
Bobby Womackの'84年の作品です。前作に続くPoet三部作の第二弾で同様にBeverly Glen Musicからのリリース、発売当時はPatti LaBelleとのデュエットやGeorge Bensonの参加が話題となったようです。(ご存知の通り「Breezin'」の作者はBobbyです。)David T.やGadsonなど前作に引き続いての参加メンバーもいますが、前作から3年間の間に音楽業界の電子化が進み、本作でも一部の曲で電ドラやシンセが大胆に導入されています。個人的にはもちろん好みのサウンドではありませんが、Bobbyは自分のヴォーカルスタイルを変えることなく順応しており、間口の広さと周りのサウンドに流されない個性の強さを感じます。
本作は、80年代中期以降の複数のガイドブックでベタ褒めされていた一方、私の上京当時には早くも廃盤になっていたのか新品で見つけられず、ガイドブックの影響か中古でもいい値段でした。(前作の”Poet”、次作の”Someday We'll All Be Free”は新品で売ってました)その後も値段が下がらず、90年代の頭に結構な値段でCDをまず買い、世紀が変わってからLPを安箱から買い直しました。

<ギターの聴きどころ>

裏ジャケにはDavid T.の名前がバッチリ書かれています。個別曲のクレジットはありませんが、聴く限りA4,B3,B4には確実に参加しています。
A3,Booby自身と思われる左のリフに続いて、Byrdlandの甘いサウンドでDavid T.が右から入ってきます。左右でのコンビネーションを保ちながら、ソウルフルなヴォーカルの合間を縫うようにしなやかでメロウなオブリを重ねていきます。
ドラマティックなスロウのB3では、左に引越し、シングルノートバッキングや控えめなオブリです。ディストーションサウンドのソロや、右のバッキングなど数本のギターが重ねられている中、音量は小さめですが、埋もれることなく存在感を発揮しています。
B4では、再び右に戻り、一際艶やかな濡れたサウンドで、ピッキングの強弱と左手のタッチを活かしたメロウなオブリで、熱く歌い上げるBobbyのヴォーカルに寄り添います。短く切ったフレーズが多いですが、Bobbyのヴォーカルに負けず劣らず、一つ一つの音に魂が込められているように感じます。これを聴いてしまうとA3のBenson先生のソロもペロペロリンと弾きすぎで軽〜く聞えてしまいます。
前作ほどのフューチャーではありませんが、唯一無二のサウンドとプレイがBobbyの熱唱を更に盛り上げるべく煽っているように感じられます。現在は常識的な値段で買えますので、BobbyのファンもDavid T.のファンもぜひ聴いてください。(私なんぞは両方の大ファンなので嬉しい限りです。でもPattiとのデュエット曲にもDavid T.参加してくれればもっと良かったと思ってしまいます。濃くなりすぎでしょうか?)




Emotional度♡♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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