Fourplay / X (2006) – Larry Carlton
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達人達の円熟したプレイ、良質なBGMですが・・・
1. Turnabout 2. Cinnamon Sugar 3. Eastern Sky 4. Kid Zero 5. My Love's Leavin' (Featuring Michael McDonald) 6. Screenplay 7. Twiligh Touch 8. Be My Lover 9. Sunday Morning Fourplayの'06年の作品です。タイトルが示す通り企画盤、ベスト盤も含めると通算10枚目のアルバムとなります。2年おきのリリースのペースも、これぞスムースジャズと言える内容もすっかり安定してきました。プロデュースは全員で担当していますが、相変わらずのメンバーの多忙からか、8のみCarlton(曲)とNathan East(詞)の共作で、他はメンバー個別の作曲です。(Bob Jamesが1と6、Harvey Masonが4と7、 Carltonが2、 Nathan Eastが3と9です。)なお、5はSteve Winwoodのカバーです。 前作"Journey"でよりスムースジャズ色の強い方向へ舵を切り、少し自分の好みから遠ざかってしまった感はありましたが、本作も”4”以降”Heartfelt”までの4枚と同様の充実した内容を期待して発売日に購入しました。 初めに聴いた印象ではより「スムース」な傾向が強まっていました。繰り返し聴いてもCarltonのギターやHarvey Masonのドラムなど個別のプレイはヒューマンなのですが、トータルのサウンドは浮遊感が漂い、どことなくクールで前作の延長線上にあるように感じました。(カバー曲の5ですらMichael McDonaldのヴォーカルのみ特濃でバックの演奏は極めて淡白です。)オーディオ的な面での音作りは美しく、円熟した達人達のリラックスした演奏はグラミー賞にもノミネートされ、あらゆる場面でBGMとして活用するには最適と思われます。でも、どこを切っても金太郎・・・・
<ギターの聴きどころ> 目まぐるしく展開する1や3でのスケールも取り入れた早いパッセージのアドリブソロ、自作の2と8や、6、7でのオクターブプレイやピッキングコントロール、4でのアコギ、5のM.NcDonaldのヴォーカルでのバッキングやオブリの絡み、9での静かに情感が湧き出るような暖かくメロウなプレイ(日曜の朝というよりは金曜の夜の印象です)、Carltonは時にJazzyに、時にBluesyにどの曲でも素晴らしいプレイを聴かせてくれています。 にも関わらず、アルバム全体の印象は前述の通りスムース感やクールが否めず薄味な感じです。強く印象に残るメロディや何度でも繰り返し聴きたいと思える曲が少なく、Carltonのプレイばかりを聴いています。個人的な好みの問題なのですが、Carltonが参加していなかったら買うことも聴くこともなかったかもしれません。(と言いつつ、結構ながら聴きしているのですが) ライブで聴いていたらまた違う印象なのでしょうか?
Emotional度 | ♡♡♡♡ アルバムとしては♡♡ |
Bluesy度 | ♡♡♡♡ アルバムとしては♡♡ |
Mellow度 | ♡♡♡♡ |
お酒のお供度 | ♡♡♡♡ BGMとしては最適です。 |
金太郎飴度 | ♡♡♡♡♡ |
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