上田正樹 / After Midnight (1982) – David T. Walker

ポップさも塗り替えてしまう上田さんとDavid T.の強烈な個性です。

A1. ストレート・ライフ Straight Life
 2. イエローページは閉じて  Say Good-Bye To Yellow Page
 3. レフト・アローン  I Miss You All
 4. 夜はもうとまらない  Nothing's Gonna Stop Rock'n'Roll
 5. 悲しい色やね  Osaka-Bay Blues
 6. Ain't That Nothin'
 
B1. 悲しい色やね  Osaka-Bay Blues
 2. ベイビイ・レイデイ  Baby Lady
 3. ピュア・マインド  Your Love Gives Me A Pure Mind
 4. ラストダンスは僕に Save The Last Dance For Me
 5. バラードまでそばにいて  Happy Days & Blue Days
 6. 我が心のジョージア  Georgia On My Mind
 
 


上田正樹さんの'83年の作品です。日本での録音にLA録音の前作からのアウトテイクを加えて、カバーとオリジナルで構成されており、個別のクレジットも記載されています。リアルタイムでB1を聴いておりヒット曲のB1を含むことで昔からのファンだけではなく、カラオケ好きはじめ、広く世間に上田さんが認知されることになった作品です。
かくいう私めも、B1を中学生のときにリアルタイムで聴いており、ギターをコピーしたりしていました。(ヤングギターでギタースコアが取り上げられ、初心者でも弾けるというクジラマークだったと思います。なお、ナイトレンジャーやイングウェイマルムスティーンが超難しいというライオンマークがついていた気がします。(聴いたことないけど))
その時は、いい曲だなあと思いつつもレコードを買って聴くには至りませんでしたが、程なくSouth To Southなどを知り、David T.全面参加の前作をきっかけにソロ作も集め始めました。本作はヒット曲を含むためかCD化されていたのでワンコインで購入できました。時代に合ったポップ(売れ線ってやつです)な曲と、ソウルが混在するアルバムですが、上田さんのヴォーカルはそんなことは関係なく、小手先のテクニックに頼らない天性のうまさと強烈な個性で自分の色に染め上げています。

<ギターの聴きどころ>

David T.はA5,B5,B6の3曲に参加しています。
アップのA5は左からキレのいい小刻みなカッティングを聴かせるGreg Poreeとのコンビで、右から弾むような単音の低音弦のリフと粘るオブリで、重いLeon Chanclerのドラム、Freddie Washington のベースとグルーブを作ります。
日本語タイトルとなったB5の「バラードまでそばにいて」もA5と同じメンバーで、Clarence McDonaldのピアノに続いてヴォーカルが入りますが、間髪入れずDavid T.も寄り添うように左から極甘のサウンドとフレーズでレスポンスします。(とろけます。)トリルやチョップ、トレモロピッキングのフレーズを盛り込みながら自在にプレイし、上田さんのヴォーカルともどももっと聴きたいと思っているうちにフェイドアウトします。
上田さんの尊敬するRay CharlesのB6、ここでもClarence McDonald のエレピ、Greg Poreeのアコギとともに上田さんをバックアップします。激しく弦を叩くお得意のフレーズやトリルを右から差し入れてきて、そのままの流れで、歌いまくり、弾けまくりのソロに続ます。本作では華美な(個人的には過剰なアレンジと思っています)ストリングスが入るのですが、ベスト盤の「Songs」では、ストリングスがなくよりシンプルでリアルな歌と演奏が聴けます。
なお、他の曲では鈴木茂さん、今剛さん、松原正樹さんなどのトップクラスのセッションギタリストが参加しています。
B1のギターは青山徹さんと武沢豊さんですが、ストラトのクリーントーンによるタメのあるプレイで、音符を追うだけならクジラさんマークですが、ニュアンスを表現するのはライオンマークではないでしょうか?





Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡ 
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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