David T. Walker / Beloved (1995)

美しいメロディを美しいサウンドで奏でます。

 1. What The World Needs Now
 2. The Look Of Love
 3. That's What Friends Are For
 4. Walk On By
 5. Close To You
 6. This Guy's In Love With You
 7. Any Day Now
 8. The Windows Of The World
 9. Do You Know The Way To San Jose
10. Reach Out For Me

David T. Walkerの95’年の作品です。全曲Burt Bacharach作品のカバーを集めた企画盤です。Ndugu(Ds),Clarence McDonald(Key),Oscar Brashear(Tp)など、この頃活動を共にしていたメンバーと録音しています。David T.の90年代の日本での活躍ぶりはなかなかのもので、Band Of Pleasure、Coolin 'N' Groovin'、Otis ReddingとJohn Lennonトリビュート、ドリカム関連、達郎さん、ユーミンのカバーへの参加に加え、リーダーアルバムも日本の江戸屋レーベルから出しており、本作はその3枚目にあたります。David T.の人気に便乗した安易な企画物かとも思いましたが、発売日を待って新品で購入しました。実際に聴いてみたら全くの杞憂でした。江戸屋レコードの皆様、および本作に関係された方々、疑ってしまい誠に申し訳ありません。私自身の考え方が90年代の音楽ビジネスに毒されておりました。商業主義ではない名演の記録、大変貴重な作品をありがとうございました。

＜ギターの聴きどころ＞

どの曲もDionne WarwickやChuck Jackson,Carpentersで聴いた美しいメロディをDavid T.がこれまた美しいギターサウンドと美しい心でちょっとエッチに奏でます。80年代後半からのY-ence以降のソロ作では精神性の高い曲も含まれていて、俗物の自分には難解に感じる曲もありましたが、本作にのどの曲も非常に多くのカバーがあり聴き覚えのある曲ばかりで耳に馴染んでいるため、すうっと入ってきました。サウンドの方も80年後半のジャズコ？のトレブリーでコーラスのかかったサウンド（曲によっては過剰にリバーブの強いサウンド）から、Peterson,Peaveyに変わって、強く弾いた時などトレブリーさは残るものの、全体的に甘く艶やかなサウンドに変化しています。
どの曲もリズムやアレンジは変われど、メロディの持つ魅力を損なうことなく、ヴォーカル以上に歌うDavid T.のプレイによって新しく生まれ変わり、更に輝きを増しています。（原曲が60年代のリリースが多いため余計にそう感じるのかもしれません）
全て文句なしですが、自分はDavid T.と縁のあるシンガーをフューチャーした歌ものがとりわけ気にいってます。Dionne Warwick, Gladis Knight,Stevie Wonder,Elton Johnによる感動の名作は3と、Chuck Jacksonのワイルドながら哀愁漂うヴォーカルが印象的だった7はBarbara Morrisonが、 Carpentersで有名な5はMerry Claytonが、Warwickの最大のヒット曲の9はMaxi Andersonが、それぞれたくましくも美しい喉で、David T.と息の合った名唱を聴かせてくれます。（Maxi Andersonのヴォーカル、久々に聴きました）
原曲と聴き比べてみるとそれぞれの良さがわかっていいかもしれません。
そういえば、私の大好きなタイロン橋本さんとの共演盤Key to Your Heartも江戸屋レコードでした。
こんな名曲、名演が聴けるなら、江戸屋レコードからもう1枚ぐらい企画盤を出してもらってもよかったかもです。
ギターはインナーの写真の通りArtexのシグネイチャーです。（最近、店頭でもネットでも見ないです）

Emotional度	♡♡♡♡
Bluesy度	♡♡♡
Mellow度	♡♡♡♡♡
酒のお供度	♡♡♡♡♡

歌物を揃えました