阿川泰子 / Melodies (1986) – 松木恒秀

甘いJazzに甘いギターサウンドが調和しています。

A1. Gentle Walk(Instrumental)
 2. What Are You Doing The Rest Of Your Life
 3. Come In From The Rain
 4. Tristeza
 5. If
 6. The First Time Ever I Saw Face

 
B1. Alfie
 2. Saving All My Love For You
 3. It's Impossible
 4. Lately
 


 
阿川泰子さんの'86年の作品です。なんとRon Carterグループを日本に招聘し、サックス・ギター・ハーモニカに日本勢を加え、青山のビクタースタジオで録音されています。'86年はRon CarterがサントリーホワイトのCMに出演するなど日本でも人気を博した年で、来日時の1月に2週間をかけてレコーディングされたようです。(なお、この時に先のCMも収録されたのではないでしょうか?)当時の日本のJazzブームと経済力によって出来あがったコードだと思います。JazzのスタンダードからPops,Soulまで幅広いジャンルから選曲されたカバーがコルゲンさんのアレンジで生まれ変わり、阿川さんがシュガーヴォイスと評された甘い声で歌っています。
阿川さんは、この1〜2年後にテレビのトーク番組で古舘伊知郎さんと司会を務めるとともに、エンディングでは歌を披露するなど引き続き人気を博していましたが、80年代のLPは数が出たこともあってCD全盛を迎えるとエサ箱の常連となってしまい、本作も90年代の半ばに300円で救出しました。

<ギターの聴きどころ>

裏ジャケのクレジットには先に述べたメンバーが記載されています。それによるとギターは中牟礼さんがアコースティック、松木さんがエレクトリックを担当しています。インナーにも同様に記載されていますが、個別曲の記載はありませんのでLPということもありA面の頭から聴きます。
結果、松木さんの参加はB1とB4の2曲でした。Burt BacharachとHal Davidの黄金コンビによるB1、変形ギターによるメタルサウンドではなく(それは違うアルフィーでした、ベタですみません・・・・)、トーンを絞った甘いフルアコサウンドが1分経過したあたりで右から入ってきます。コード主体でつなぎで経過音を巧みに取り入れたフレーズの数々、左のストリングスとの調和も美しく、控えめではありますが松木さんの中でも屈指のJazzプレイです。
Stevie WonderのB4、この曲でも甘いサウンドです。イントロから左のハーモニカと共にムードを盛り上げ、ヴォーカルが入ると寄り添うように音を紡いで行きます。コード主体ではありますが、ダブルストップやグリッサンドなどの松木節を随所に取り入れ、甘い曲と甘いヴォーカルを更にメロウに彩っており、とろけます。
中牟礼さんは、BossaのA3とB4でアコギによるコードバッキングです。P90の古い175のイメージが強かったのですが、ガットによるLPも出しているようです。(未聴ですが)。90歳を超えた現在でも現役でライブなど精力的に活動されているご様子、いつまでもお元気で頑張っていただければと思います。
最近はあまり見かけませんが、(外国の方が阿川さんのLPを買っているようです)春にぴったりの甘いJazz,ぜひ聴いてください、







Emotional度♡♡♡
Bluesy度♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡♡

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