Weldon Irvine / Sinbad (1976) – Eric Gale, Cornell Dupree

多彩なプレイの中にGaleの個性が存分に発揮されています。

1. Sinbad
2. Don't You Worry 'bout A Thing
3. What's Goin' On?
4. I Love You
5. Do Something For Yourself
6. Music Is The Key
7. Here's Where I Came In
8. Gospel Feeling




Weldon Irvineの'77年の作品です。 N.Y.を拠点に活動したJazz-Funkピアニストで、本作は”Cosmic Vortex”、”Spirit Man”に続くRCA三部作の最終にあたり、StuffのメンバーやBrecker Bros.をバックに、カバーやオリジナル、インスト・歌ものを取り混ぜて録音されています。Gale,Dupreeの参加作として狙っていましたが、サンプリングネタにも多用されRare-Grooveの名盤として人気が高いらしく、再発されてもすぐ売り切れてしまい中古品も常に高い価格がついていました。私は運良く'09年の日本での再発盤を1800円で購入することができました。

<ギターの聴きどころ>

裏面のクレジットにはギターとして二人の名前が連記されており、更にGaleには1,2,3,6でのsoloと追記されています。
乾いたサウンドで突き進む1,左がWahのカッティング、右がシングルトーンバッキングでスタートします。この後も、左Dupree, 右Galeです。オクターブでのブリッジに続いてソロが始まります。いつも通りの粘っこいチョーキングを交えながらも流れに乗ったフレーズで、ロングトーン+ビブラートは最小限ながら、紛れもないGale節です。後半ではキレの良いカッティングも登場します。
Stevie Wonderの2も1同様の役割分担でスタートし、テーマに入るとコンビネーションカッティングに移っていきます。Galeのソロがない?音量も大きくフレーズの動きの多いカッティングがソロ扱いなのでしょうか?
続く3はMarvin Gayeのカバーです。左はWahがはずれ、右もメロウなプレイに変わっています。ソロはペンタ一発ではなくスケール感のある音使いをしていますが、突っ掛かり気味のピッキングやトリルプレイがGaleそのもので、翌年のBensonの流麗なプレイとは一線を画す個性を発揮しています。この名曲はDupreeやDavid T.はじめ、Norman BrownやDoc Powellなど多くのギタリストがプレイしていますので、聴き比べると楽しいです。
メロウソウルとして人気が高い歌ものの4も二人のコンビネーションが見事です。オブリが少ないのが残念ですが、必要以上に濃くなってしまうでしょうか?
Funkyな5、Galeの多彩パターンを駆使したなバッキングが光ります。
エレピとアコピのコンビでスタートする6,オクターブプレイやBossa調のバッキングで独特の浮遊感を作ります。ソロはらしくない感じでスタートしますが、トリルや繰り返しフレーズなどいつものGale節となってフェイドアウトします。
8も二人のコンビネーションカッティングで、後半のGroove感はStuffっぽさを感じさせつつ幕を閉じます。
本作でのギター上のメインはGaleでしたが、バッキングのコンビネーションはさすがです。できればソロやオブリの掛け合いも聴いて見たかったところですが、そちらはStuffの方で堪能します。

Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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